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2006年1月 1日 (日)

「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲」

Otonateikoku (2001年:東宝/監督:原 恵一)

 このシリーズ、以前から“大人が見ても面白い(あるいは、大人にしか分からないギャグがある)”と評判で、前にも紹介した「爆発!温泉わくわく大決戦」は、例の伊福部昭マーチ対決に大笑いしたし、前作「嵐を呼ぶジャングル」も、ジャングルに自分だけの王国を築いた男が登場するなど(「地獄の黙示録」のパロディ?)、その笑いのレベルはかなり高い。

 今回はなんと!、大人たちが昔(青春時代)のノスタルジーに浸りきり、マインドコントロールされて子供たちを見捨ててしまうというとんでもない展開。残されたしんちゃんら子供たちが、大人たちを現実に引き戻そうと大奮闘する(臭い靴下の匂いをかぐと現実に戻るというのが笑わせる)。'70年の万国博のパピリオンや、レトロっぽい下町の風景を再現したり、ベッツィ&クリスの「白い色は恋人の色」のメロディが流れたり、それらを仕掛ける敵側が同棲時代風カップル(名前がチャコちゃんケンちゃん!(笑))であったりと、まさにこれらの風景は'70年代に青春を過ごした世代でないとピンとこないであろう。子供向けアニメにこんな要素を取り込んで大丈夫なのかと余計な心配もしたくなるが、いつものおバカギャグは健在だし、追っかけカーチェイス・シーンも結構楽しませてくれる(ここも実は「ブルース・ブラザース」のクライマックスのパロディあり)。

 しかし最後は、しんちゃんの父ひろしが、しんちゃんの奮闘のおかげで“過去の幻想よりも現実の家族の愛こそが大切だ”と気付き、その必死の抵抗にケンちゃんらは自分たちの敗北を知る。「古き良き時代を懐かしむ大人の気持ちもわかる。だけど子供たちはこれからの未来を生きて行くのだ」というのがこの作品のテーマなのだろう。これには感動した。これは大人たち(それも40代後半以上)にこそ見て欲しい、素敵な、しかしちょっぴり心に痛みを覚えてしまう大人の為の寓話なのである。      (採点=★★★★☆

(2001年5月24日)

 

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