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2006年8月 9日 (水)

これは宮崎アニメ・フラッシュ?「ゲド戦記」

前回お約束しました、「ゲド戦記」に見る宮崎駿作品からの引用(あるいは両者の関連性)について・・・・

(1)まず、旅に出たアレンが荒野でオオカミに襲われるシーン。
 ここで宮崎ファンなら、宮崎駿が場面設計を担当した「太陽の王子・ホルスの大冒険」(高畑勲監督)を連想するでしょう。なかなか抜けない剣を持っている所も似ている。そう言えば、農耕に精を出すシーンもありましたねぇ。

(2)故郷を捨てて、ヤックルに似た馬に乗って旅をする辺りは「もののけ姫」ですね。もっとも、「もののけ姫」自体が本作と同じく、宮崎駿が20年ほど前に描いた絵本「シュナの旅」を原案としてるわけだから似てるのは当然か。ジコ坊のようなキャラクターも出てるし…。夢の中で、真っ黒なドロドロとした液体に飲み込まれるシーンも「もののけ姫」のタタリ神に取りつかれるシーンを連想させます。
ラストでアレンがテルーに、「また会いに来るよ」と言って別れるシーンもそっくりですね。
ついでに、クモの目の下の縦長のペイント(?)は、サンのメイク(千尋のカオナシだという説もあり)に似てますね。

(3)何より感じたのは、「風の谷のナウシカ」が「ゲド戦記」からかなりインスパイアされてNau014 いる事。ユパは明らかにゲドがモデルだし…。村人がいなくなった村の家を覗いて、「この村もだめか…」とつぶやく所は「ナウシカ」の冒頭とそっくりです。
ついでに、クモと配下のウサギは「ナウシカ」のクシャナとクロトワですね。

(4)柵に縛られたテルーが、もの凄いパワーで杭を引っこ抜き、縄を解くシーンは、「未来少年コナン」ラナがコナンを助ける為、縄を歯で食いちぎるシーを彷彿とさせます。宮崎アニメの少女ヒロインはパワフルなのです(笑)。

(5)ラストの、お城の塔屋での追っかけとアクションは、宮崎アニメでは定番と言っていいでしょう。「ルパン三世・カリオストロの城」、そして宮崎駿が原画とアクション・シーンを担当した「長靴をはいた猫」を見れば一目瞭然です。悪魔を追っかけ狭い階段を駆け上り、そして朝日が射してくる時悪魔は滅びます。まったく「長靴-」そのまんまです(笑)。ついでながら「長靴-」における「朝日よのぼれ」というセリフは、宮崎駿自身が「もののけ姫」でセルフパロディにしてました(笑)。
城がガラガラと崩れ、主人公が落っこちそうになってぶら下がる…というパターンも「カリオストロ-」から「天空の城ラピュタ」に至る宮崎アニメではお馴染みシーンですね。

(6)「ゲド戦記」の原作でも主要テーマであり、本作でも出てきた、真(まこと)の名前に関するくだりは、「千と千尋の神隠し」でも重要なテーマとなっていましたが、あれは「ゲド戦記」からのいただきだったわけですね。
ラストで、○に変身した×××に乗って空を飛ぶシーンもそのまんま「千と千尋-」のラストと同じです。うーん、ここまでやりますか(笑)。
 

・・・といった具合に、宮崎吾朗監督は意識的なのか、無意識なのか、親父さんの作品の名シーンを片っぱしから本作に取り込んでおります。逆に言えばそちらに神経を注ぎすぎて、本編が支離滅裂になっちまったのか、それともジブリ・アニメファンを喜ばそうとするサービス精神が行き過ぎた結果…

なあーんて事はないでしょうねぇ(笑)。

 

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