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2006年10月28日 (土)

日本ハムファイターズの優勝に思う

Nichihamu プロ野球日本シリーズで、北海道日本ハムファイターズが日本一となり、新庄が宙に舞った。喜ばしいことである。

私は特に日本ハム・ファンではないが、プロ野球を見るのは好きだ。
今年は日ハムは44年、中日も52年間日本一から遠ざかっており、どちらも勝たせたいが、強いて言うなら、今年は日本ハムに日本一になって貰いたい…と思っていた

結果は、狙い通りになってとても嬉しい。新庄の涙にはこちらももらい泣きしてしまった。

なぜ日本ハムなのか…それは、私が好きなタイプの映画と同じように、そこに感動のドラマがあったからである。

パ・リーグは、セ・リーグに比べて長い間、観客動員が低迷し、球場には閑古鳥が鳴いていた(あまりの観客の少なさは、テレビでギャグにされてるくらいだ。スタンドで将棋してたり焼肉焼いてたりとか(笑))。球団の身売り話やら、合併話は日常茶飯事、近鉄とオリックスの合併はつい最近だが、日ハム自身も前身の日拓ホーム時代、ロッテと合併直前まで行ったそうだ。

球団の身売りもパ・リーグが圧倒的に多い。この半世紀を見れば、セ・リーグで名前が変わっていないのは、巨人、阪神、中日、広島と4球団あるが、パ・リーグではなんと全球団が入れ替っている。それも、3回、4回と所有親会社が変わった例がある(参考までに、50年前のパ・リーグ球団名は、南海、西鉄、近鉄、東映、阪急、大毎。どれが今はどこか分かりますか?(笑))。

日本ハムの場合は、44年前はオーナー会社が映画会社東映だった…というのも因縁深い。思えば、日本映画全盛時は、映画会社がオーナー…という球団がいくつもあった。大毎オリオンズ大映の永田社長がオーナー、それ以前は、今の横浜ベイスターズが“松竹ロビンス”と言っていた。阪急ブレーブス(今のオリックス)も親会社は東宝系列だった(オーナーは東宝の小林一三)。

映画界の衰退と共に、映画会社はすべて野球界から撤退(偶然でしょうが、早々と撤退した松竹を除いて、みんなパ・リーグなんですね)。

ある意味、低迷を続けてきたパ・リーグの存在(観客が入らない、スターがいない、人気が出ない、お荷物とバカにされる)は、日本映画の低迷とも共通していると言えるだろう。
反対に金満球団・巨人を中心に観客を動員して来たセ・リーグは、アメリカ映画のようなものだろう。金にあかせて大砲を集める巨人は、巨額の製作費と、世界中から集まる才能やスターの魅力で観客を集めてきたアメリカ映画の姿とかぶる。

1昨年には、パ2球団消滅、1リーグ構想まで浮上した。

そんなどん底の状態から、パ・リーグは奇跡的に復活して来た。閑古鳥の代名詞だったロッテが、昨年日本一、今江などのスターも生まれ、観客動員も上昇した。

そして今年、北海道に定着した日本ハムは、新庄というスターを得たこともプラスして、観客動員でもセ・リーグ球団に匹敵するくらいの数字をあげ、遂に44年ぶりの日本一となった。
反対に、常勝を誇っていた巨人は、4年も優勝に見放されたばかりか、観客動員、テレビ視聴率とも低迷し、放映を打ち切られる体たらくである。

これはちょうど、日本映画とアメリカ映画の流れとも似ている。
一時は洋画:邦画の興行収入比率が7:3まで行った時期もあったが、アメリカ映画が、物量作戦が飽きられたのか低迷し始め、逆に日本映画が勢いを盛り返し、興行収入が100億円を超える大ヒット作も生まれて、最近では興行収入比率が5:5になったと聞く。

 

こうした流れは、私が大好きな正統娯楽映画のストーリーとも見事にそっくりである。

例えば、最近の「フラガール」しかり、「シコ、ふんじゃった。」「メジャー・リーグ」しかり。

最初は低迷し、バカにされ、どん底に落ち…、しかし不屈の努力で次第に力をつけ、応援者もどんどん増え、そして選手と観客の心が一つになり最後に栄光を手にする…。

まさに、夢のようなドラマである。42,000人という、最近の巨人の試合より多い観客を札幌ドームに集めるなど、数年前に誰が予測しただろうか。

その夢が現実になった。中日ドラゴンズには、残念ながらそこまでのドラマはない。だから日本ハムには是非日本一になって貰いたかった…私がそう思った理由がお判りいただけるだろう。

人生には、どん底になる時もあれば、スランプで何をやってもうまく行かない時もある。

でも、どんな時でも、夢と希望を失わず、努力を続けてさえいれば、きっといつかはその夢がかなえられる時が来る。…そんなドラマを映画にも、野球にも私は求めたい。そんな夢が実現するドラマを見れば、きっと勇気付けられ、元気を取り戻す人だっているかも知れないからである。

私には、映画「フラガール」の物語が、日本ハムの成功ドラマに重なって見えるのである。

強いチームが当たり前のように勝つ…そんな野球のどこが面白いのだろう。
弱く、低迷していたチームが、苦難の末に強いチームを倒す。…そっちの方が何倍も面白いに決まっている。そういうチームを私は応援したい(3年前の阪神タイガースがまさにその通りだった。あの時は泣けた。日本一になれなかったのは残念だが…。その点では、まだ夢は果たしていない)。

さて、来年はどこのチームが、そんな夢を見させてくれるだろうか。楽しみである。

 

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