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2009年1月27日 (火)

「誰も守ってくれない」

Nobodywatchoverme (2008年・東宝/監督:君塚 良一)

「踊る大捜査線」シリーズの脚本を手掛けてきた君塚良一が、監督も手掛けた社会派サスペンス・エンタティンメントの力作。モントリオール世界映画祭最優秀脚本賞受賞。

両親と18歳の兄、15歳の沙織(志田未来)のありふれた船村一家。ある日突然、兄が小学生姉妹殺人事件の容疑者として逮捕され、一家はマスコミと群衆の好奇の目に晒される。刑事の勝浦(佐藤浩市)は、妹・沙織の保護という任務を命じられ、都内を転々と移動する。それでも執拗に追って来るマスコミやネットから逃れる為、勝浦は東京を離れ、海の見えるある場所へと向かう…。

“加害者家族の保護”というテーマが斬新である。現実にこれまでも、マスコミやネットの匿名情報が暴走し、犯罪に巻き込まれた家族(それは加害者、被害者を問わない)を好奇の目に晒し、バッシングするケースが多くある。

この深く、重いテーマに正面から切り込んで問題点を追求し、鋭い社会批判を行うと同時に、緊迫感溢れるサスペンスを盛り上げ、重苦しい中に一縷の希望を見出し、そして最後に爽やかな感動で締めくくった脚本(君塚と鈴木智の共作)が実に見事である。モントリオールで最優秀脚本賞を受賞したのも頷ける。やはり映画は脚本次第である。

手持ちカメラ、オール・ロケーションによる、セミ・ドキュメンタリー・タッチの映像が、未成年者犯罪、ネット・バッシング、マスコミの横暴…と、現実に起きている諸問題を鋭く抉り出す作品のテーマにうまくマッチし、効果的である。

マスコミであるテレビ局が製作したにもかかわらず、執拗に弱い者を追い詰め、晒し者にし、しかし事件が一段落し、次のニュースが登場すると途端にきれいに忘れてしまうマスコミの狡さ、身勝手さを容赦なく描いている点も興味深い。よくまあ局側がゴーサインを出したものだ(笑)。

(ここからややネタバレになります。未見の方はご注意ください)
勝浦が、落ち着き場所として向かった伊豆のペンションのオーナーは、3年前に息子を通り魔事件で亡くした本庄(柳葉敏郎)。おだやかな人物で、犯人を尾行しながらも、ちょっとしたミスで犯行を防止出来なかった勝浦にもやさしく対応してくれる。

だが、沙織が加害者の身内だと知ると、それまで抑えていた感情を迸らせ、激昂して勝浦に食ってかかる。
「加害者の子供たちはいつか町に帰ってくる。私たちの子供はもう帰って来ない!」。

ここに、感情を持つ人間の心の複雑さ、悲しさがある。…被害者の家に、別の事件とは言え、加害者の家族を連れて行くという展開はやや作為的で、少し無理があるのだが、テーマを鮮明にさせる為に、君塚監督はあえてこのシークェンスを入れたのだろう。

やがてこのペンションにまで、ネットで知った野次馬が押しかけるのだが、無表情で携帯を構え、群れをなしてやって来る群衆はまるでゾンビのようで不気味である。

この後も、信じていた人間の裏切りがあったりと、やり切れない重い展開が続くのだが、ある瞬間から、物語は急展開する。

沙織をネットに晒そうとする若者たちに襲われた時、勝浦は抵抗せずに、体を張って沙織の上に覆いかぶさり、若者たちの暴力から彼女を守る。

その姿を見た時、それまで頑なに心を閉ざしていた沙織の中で、何かが大きく変わり出す。“誰も守ってくれなかったはずだったのに、身を挺して自分を守ってくれた人がいる
初めて心を開いた沙織が、勝浦と浜辺で語り合うシーンが素晴らしい。私はここから後、涙が出っぱなしであった。

勝浦は言う。「誰かを守るということは、その人の心の痛みが分かるということだ。人の痛みを感じることはとても辛いことだが、それが生きていくということだ」
「これからは君が家族を守るんだ」。

彼女はこれからも、一生、犯罪人の家族という十字架を背負って生きなければならない。つらい事だが、勝浦に励まされ、生きる勇気を取り戻して行く沙織の姿に、絶望が満ち溢れるこの時代において、人間に対するかすかな希望の光を見ることが出来る

 
素晴らしい脚本は、伏線の張り方や小道具の使い方がうまいものだが、この作品でも素敵な小道具が効果的に使われている(1枚の家族の写真、沙織の携帯など)。

冒頭で、自身の家庭もバラバラになりかけている勝浦は、自分の娘の為に、赤いリボンをかけたプレゼントを買い求めるのだが、そのまま事件に巻き込まれるうち、プレゼントはもみくちゃにされ、踏まれ、傷つき、ボロボロになって行く。しまいには勝浦は、プレゼントの存在すら忘れかける。

それはまるで、事件の渦中で翻弄され、ズタズタになって行く沙織の心のメタファーであるかのようである。

ラストにおいて、東京へ帰る沙織を見送り、勝浦はゆっくりと海岸沿いを歩き始める。…それはまた、勝浦自身の再生へのスタートでもあるのだ。
勝浦をなじった本庄も、穏やかさを取り戻し、妻に新しい命が宿っている事を伝える。

その勝浦を追い抜いた車が停まり、沙織が、車に積まれたままだったあのプレゼントを、勝浦に渡す。

それは、生きる勇気を与えてくれた勝浦への、沙織からのお礼の気持ちを込めたプレゼントでもあるようだ。
しわくちゃになり、ボロボロになったけれども、勝浦の手に戻ったそれは、バラバラになりかけた勝浦家の、再生への希望の光であるに違いないだろう。

 
現実世界には、確かに悪意や身勝手なエゴイズムが満ち溢れている。人間とは、そんなに、愚かで悲しい存在なのである。
それでも、善意を信じる心がどこかに残っている限り、人は人を信じて生きて行くことができるだろう。

 
本作は、社会派ドラマの力作だが、俗に社会派と呼ばれる、今井正監督や、熊井啓監督などの、どちらかと言えば結末に至るも、やりきれなさや悲劇性が残る、過去の作品(「真昼の暗黒」、「日本列島」、「地の群れ」など)に比べて、カーチェイスや、サスペンス、そして最後には一筋の希望が見いだせる感動的な結末を用意するなど、エンタティンメントとしての要素も充分盛り込まれている。その点でも、社会派ドラマに新しい方向性をもたらしたと言える、これは素敵な秀作なのである。お奨めである。     (採点=★★★★☆

(付記)
この映画の、4ヶ月前のエピソードを描いた、前日譚とも言えるテレビドラマ「誰も守れない」が封切日と同じ1月24日に放映されたが、勝浦の右手の震え、カウンセラーの尾上玲子(木村佳乃)と勝浦との関係、同僚の三島(松田龍平)のキャラクター、等がきちんと描かれていて、これを先に見ておく方が、より映画本編を楽しめるだろう。映画だけでは、玲子と勝浦との関係が判り難いし、「シャブ漬けにするぞ」というセリフの意味もピンと来ないからである。
テレビ版に、監督の森田芳光がワンカット出演しているが、これは、テレビ版の監督を務めた杉山泰一が、長年に亙り森田監督の助監督だったからで、そのご祝儀だろう。

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(さて、お楽しみはココからだ)
この映画のタイトルをよく見ると、“ Nobody to watch over me”という英題が併記されている。

このタイトルから、ある映画を思い出した人は相当の映画通である。

Someonewatch 「誰かに見られてる」(1987)というサスペンス映画をご存知だろうか。「ブレード・ランナー」等のリドリー・スコット監督作品で、原題が“Someone to watch over me”である。1語違うだけ。

ストーリーも、犯罪を目撃した女性の身辺を守る事になった刑事(トム・ベレンジャー)が、やがて女性に魅かれ、刑事の家庭に亀裂が走りかけるが、最後に家族の絆を取り戻す…という内容で、本作とも似た所がある。

犯罪に巻き込まれた大人の女性の警護を行う刑事…という展開は、むしろテレビドラマ「誰も守れない」の方とそっくりである。

おそらくは君塚良一監督が、あの映画から多少なりともヒントを得たので、その事をファンに目配せする為、この英題を併記したのではないか、と想像する。

なお、"Watch Over" は“守る”という意味であり、この邦題は少しおかしい。「誰かが私を守ってる」が正しい題名だと思うのだが。

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2009年1月13日 (火)

「その木戸を通って」

Sonokidowo1(1993年・フジテレビ/監督:市川 崑)

昨年逝去された、名匠市川崑監督作品の中で、唯一劇場未公開となっていた作品が、製作後15年を経て劇場初公開となった。

東京では昨年11月8日から公開されているが、関西ではこの1月10日からが初公開。ところがなんと、朝11時からのモーニングショーのみ。祝日の12日にシネリーブル梅田まで見に行ったのだが、なんと立ち見だという。せっかく来たのに帰るのは無駄足になってしまう所だが、幸いと言うかここは自由席なので、立ち見了承で入ったのだが、なんとまあ、通路までぎっしりの超満員!状態。壁際に立ったり、段差に腰掛けてる人だけでも3~40人はいた。大入りは喜ばしい事ではあるが、高い金払って通路に座らされる観客はたまったもんじゃない。市川崑監督の未公開作という話題性もあるのだから、もっと上映回数を増やすべきだ。配給会社も劇場も考えて欲しい。
(フジTVの製作なのだから、テレビスポット打って宣伝すれば、全国拡大興行も可能だろうに。相変わらず、駄作はイヤというほど宣伝して、秀作には冷たいフジTVらしいと言うか…。そう言えばここのテレビ局は、やはり市川崑監督の秀作テレビシリーズ「盤獄の一生」も一時おクラにしてたなぁ)

さて、未公開だったのには理由があって、この作品は元々わが国初の本格的長編ハイビジョンドラマとして作られたものである。つまりテレビ作品で、劇場公開は予定されていなかったものである。

その後BSで一度だけ放映された後、ハイビジョンマスターから35ミリフィルムに変換され、“FUSA”のタイトルで93年ヴェネチア国際映画祭に特別招待出品、翌94年ロッテルダム国際映画祭批評家選出部門に出品。それぞれ好評を博したが、その後はソフト化もされず眠っていた。ようやく2007年になって劇場公開の機運が高まり、今回の上映に至ったものだが、市川監督の存命中に実現しなかったのが心残りである。なお今回の劇場公開も、35ミリフィルム版での上映である。

で、作品だが、素晴らしい出来映えである。この15年間の市川崑作品中でも、最高の部類に入る秀作である。

 
冒頭、闇の中から緑の竹林が徐々に現れ、やがて主人公の姿が浮かび上がるシーンがまず美しく幽玄で息を呑む。

全体的に、深々と繁った緑の竹林、武家屋敷や城内の日本家屋独特のほの暗い陰翳、丁寧に装飾された屋敷内の調度や襖の艶やかさ、等が陰影もくっきりと表現されており、初期でありながら、ハイビジョンカメラによる映像は35ミリ・フィルムのそれと遜色ない。足元が煙る雨のシーンも幻想的である。

市川崑らしい、これら日本美の見事さにまず圧倒される。また、そうした幽玄的なシーンが、実は物語のトーンとも密接に繋がっている事も後に分かって来るのである。

主人公、平松正四郎(中井貴一)は、お城勤めの武士。近々、城代家老の娘との縁組も決まっていたが、そんなある日、留守宅に突然、記憶喪失の美しい娘(浅野ゆう子)が訪れる。縁組への支障を恐れ、一度は雨の中に娘を追い出すが、雨に打たれる娘の姿を見ているうちに心が変わり、家に連れ戻し、親身に面倒をみてやるようになる。いつしか娘はふさと名付けられ、やがて正四郎は家老の娘との縁談を破談にし、ふさとの結婚を決める。娘も生まれ、幸福な日々が続いたある日、ふさは突然、正四郎の前から姿を消してしまう…。

原作は山本周五郎の短編。いかにも周五郎らしい、市井の人々のささやかな幸福と哀歓が描かれているが、このお話の変わっている点は、謎の娘の素性、正体が最後まで判明しない点である。
周五郎作品は黒澤明や、市川崑監督作も含め、数多く映画化され、似たようなストーリーもあるが、こういうパターンは初めてではないか。

さすがミステリー・ファンの崑監督だけあって、ふさの姿が急に見えなくなる、というサスペンスが幾度か絶妙に挿入され、観客も一緒になってふさの身を案じる事となる。

幽玄的な薄暗い林と、純朴な男の前に突然現れる謎の女…と聞けば、これは日本古来の民話、怪談噺をも思わせる。
民話では、「竹取物語」、「鶴の恩返し」、「羽衣伝説」等がこうしたパターンである。ちなみに市川崑監督自身、前の2作を「竹取物語」「つる-鶴」として映画化しているのも面白い。
怪談噺としては、R・ハーンの「雪おんな」が代表だろう。

そう考えてみれば、ラスト間際、正四郎が幻視する、見えないその木戸を通って、ふさがすうっと消えて行くシーン、その姿が、まるで幽霊が霊界に旅立つようにも一瞬見えてしまう。
木戸とは、この世とあの世の境界なのかも知れない…と、ふと思ってしまう。

この物語には、そうした日本古来の伝承話、幽霊話のエッセンスも巧妙に取り入れられている…と考えるのも面白いだろう。

カメラは前述の如く見事だが、その他にも回想シーンでは、中心人物以外はモノクロに特殊処理したり、ふさの顔を、紗をかけたソフトフォーカス・レンズで捕らえる等、崑監督らしい凝った映像も見ものである。

 
なお、“男の目の前に謎を秘めた女が現れ、二人はしばらく幸福な日々を送るが、そんなある日、女が突然いなくなる”というパターンは、周五郎の別の作品にも登場している。

黒澤明監督により映画化された「赤ひげ」である。この中の佐八(山崎努)とおなか (桑野みゆき)のエピソードが、本作とよく似ている。
ただこの作品では、おなかが急にいなくなった理由は、二人が再会した後、おなかの口から明かされる。そして悲しい結末となる。

ここでも描かれるのは、“人は身の丈に合った以上の幸福を追い求めては、却って不幸になる”というテーマであり、それは本作にも窺い知ることが出来る。
それがラストで正四郎が呟く、「俺はほどほどに幸せだったと思う」というセリフ(字幕でも登場する)に繋がるのである。

ふさの失踪から17年後の現在において、正四郎は、ふさを見た、という手紙に惹かれ、会いに行こうとするが、手前で引き返す。
それは、「ふさに会いたい」という思いとはうらはらに、再会する事が、二人にとって幸福なのだろうか…という自問であり、“会わないことによってこそ、二人は幸福であり続けるのかも知れない”というテーマを炙り出す事となるのである。

実際、「赤ひげ」において、佐八とおなかは、再会した故に悲劇を招いてしまうのだから。

ふさへの思いを吹っ切るように、正四郎は明るい顔で、娘の婚礼に向かう所で物語は終わる。

人の心とは、人への思いとは、幸福とは、何なのだろうか…。見終わって、深い余韻を残す、見事な幕切れである。

 
エンド・クレジットにおける、崑監督自身による絵コンテ画も楽しい。

フランキー堺、岸田今日子(お二人とも既に鬼籍に入られているのが時の流れを感じる)、井川比佐志、石坂浩二、神山繁…といったベテラン俳優の演技が実に素晴らしく、見事なアンサンブルを奏で、当時既に中堅俳優だった中井貴一ですら、この人たちの間では初々しい新人のようにすら見えるのが微笑ましい。ふさを演じた浅野ゆう子も、過去に何かを秘めたミステリアスさと儚さを滲ませ、ベテラン俳優に混じってよく健闘している。

それにしても、何度も言うが、こんな素晴らしい作品を、ごく一部のモーニングショー等限定公開だけで終わらせるのはけしからん。多くの人に、特に市川崑監督ファンには是非観ていただきたいと思う。傑作である。     (採点=★★★★☆

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原作本(「おさん」に所収)

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2009年1月 8日 (木)

「ティンカー・ベル」

Tinkerbell (2008年・ディズニー/監督:ブラッドリー・レイモンド)

ディズニー・アニメの古典である「ピーター・パン」の副主人公、ティンカー・ベルを主人公にして、その誕生、ピーターと出会う以前のエピソードを描く、スピン・オフ・ムービー。全4部作になる予定で、これはその第1作。

ティンカー・ベルはどこから生まれたのか、その名前の由来は何か、とか、これまで知られていなかった部分を題材にした辺りは、特にピーター・パンが大好きな子供たちや、昔感動した大人の観客を見込める点で、企画そのものは悪くはない。映像も、CGによるクリアで滑らかな動き、ネバーランドの美しい風景や、妖精たちのキャラクターも魅力的で、まずまずの出来ではある。

だが、個人的には、これはなんとも困った、異議申立てをしたい作品である。楽しめた人には申し訳ないが、以下その理由を述べたい。

 
ディズニー・アニメのポイントとは何か。それは、“愛と夢と冒険の物語”である…という点にまとめられる。現実から離れて、ひと時夢の世界に浸り、主人公と一緒に冒険をし、ハンサムな王子様や美女とめぐり会い、空を飛んだり、ドラゴンと戦ったり、海賊と一戦交えたり…そうして最後は王子様と結ばれてハッピーエンド。

どれも、現実には起り得ない夢の世界である。現実がハードな仕事や生活のやりくりや人間関係のしがらみに追われ、息苦しいからこそ我々観客は、映画館の中で現実を忘れて夢の世界に浸り、ストレスを発散したいのである。

ところがである。本作の主人公、ティンカー・ベルは、“もの作りの妖精”なのだそうである。ティンカー(Tinker)とは、辞書を引くと、“鋳掛け屋、よろず修繕屋”という意味があるので、そこからこの物語を発想したようなのである。

お話としてはティンカーが、もの作りなんてつまらない、とばかりに夢のような職業にあこがれたものの、最後は結局、背伸びせずに、汗水流す地道な労働が大切なんですよ、という教訓話で終わるのである。

私は観終わって、口あんぐりとなった。現実を忘れて夢の世界に浸りに来たのに、よりによってディズニー・アニメで現実の世界に引き戻されるとは思いもよらなかった。「ピーター・パン」というファンタジー冒険物語の副主人公ティンカー・ベルが、実は“なべカマ修理の名人”だった…なんて、悪い冗談である(笑)。「ピーター・パン」の原作者ジェームズ・M・バリーが天国でこれを聞いたらどう思うだろうか。多分ひっくり返るに違いない。

そもそも、“ティンカー”を、“鋳掛け屋、よろず修繕屋”と解釈する事自体、トンチンカンな勘違いである。ティンカーには別に、イギリスの古語で、“いたずらっ子, きかん坊”という意味がある(こちらの英辞書を参照)。
原作者の意図が、こっちの方にあるのは明白だろう。絶対に、“なべカマ修理の名人”という意味で名付けたのではない(笑)。

これが、ジョークやパロディならまだいい。しかし、映画はいたって真面目に、地道な労働の大切さを称えたままて終わるのである。
物語のどこにも、愛も、夢も、冒険もない。逆に、“夢なんかあきらめて、地道な生活を送りましょう”という現実的で味も素っ気もないメッセージに終始するのである。

別に、ファンタジーに社会的メッセージを入れるな、とは言わない。「WALL・E/ウォーリー」にだって環境汚染問題が登場している。

しかしそれはあくまで背景であって、メインは基本的に“愛と夢と冒険の物語”である。ウォーリーは常に、誰かと手を繋ぐ夢を見続け、冒険の旅を経て、その夢を実現するのである。

 
もう一つ、問題点がある。それは本作が、ディズニー・アニメの伝統であるセル・アニメではなく、3DCGアニメの方式で作られている点である。

CGアニメは、それはそれで長所がある。私も、ピクサー・CGアニメは大好きである。
しかし、少なくとも、ディズニー本家が作る「ピーター・パン」のスピン・オフ作品は、昔ながらの2D・セル・アニメで作って欲しかった。現に、つい数年前に作られた「ピーター・パン2/ネバーランドの秘密」はセル・アニメ方式だった(一部作業はデジタル化されてはいる)。

セル・アニメは確かに手間ヒマがかかる。動きもCGほど滑らかではなくギクシャクする。…それでも、デジタルに対するアナログとでも言うべき、手づくりの良さ、温かみがあって、CGアニメ全盛の今、昔のディズニー・アニメを観ると何だかホッとしていい気分になれるのである。今でも、例えばニック・パーク監督による「ウオレスとグルミット」シリーズは、粘土を1コマづつ動かしてはコマ撮りするという、気が遠くなる作業を繰り返して作られている。1本作るのに2~3年かかるのだそうだ。頭が下がる思いである。

おそらく、創業者のウォルト・ディズニーが生きていたなら、この作品は間違いなく、手描きセル・アニメで作られたに違いない。そして、“愛と夢と冒険”という基本ラインは決して外さなかっただろう。
そういう意味では、本作は厳しく言うなら、ウォルト・ディズニーの基本精神を踏み外した、“似非ディズニー作品”と言わざるを得ないのである。

そう言えば、本作には、春の準備に間に合わせる為、ティンカーが“自動彩色マシン”を作り、てんとう虫の背中の絵柄をオートメーションで仕上げるくだりがある。おかげで準備に間に合い、女王から感謝される。

でも、これってなんだか、手間ヒマかける作業を省力化し、手っ取り早くCGで仕上げる、今のアニメ作りを象徴しているようでもある。
“もの作りの大切さ”を訴えるテーマであるなら、そんな手抜きを奨励してはいけない気がするのだが…。

 
翻って、わが宮崎駿監督の「崖の上のポニョ」は、全編手描きによるセル・アニメで作られた。完全アナログ方式である。おまけに、物語はこれぞまさしく、“愛と夢と冒険のファンタジー”である。

言うなれば、本家のディズニーが放棄したかのような、正しいアニメ作りの精神を、ディズニー・アニメから多大な影響を受けたであろう宮崎駿が、確実に継承しているのである。皮肉な事である。

無論、ディズニー以外で作ったのなら、あるいは、「ピーター・パン」スピン・オフでないオリジナル・ストーリーであるなら、はたまたアニメでなく実写であったなら、これはそれなりに評価してもいい。そうでないから問題なのである。絵にしても、ある部分はリアルな3DCG,背景や一部シーンは旧来アニメ風メルヘン・タッチの絵…といった不統一感も気になる。

いろんな意味で、一本筋の通っていない、困った作品と言わざるを得ないのである。   (採点=★★

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2009年1月 3日 (土)

2009年度 鑑賞作品一覧

2009年度鑑賞の新作映画のタイトルと、採点です。 (随時追加)
タイトルをクリックすれば、リンク先に飛びます。リンクがないものは未掲載です。

 

  タイトル 採点
1月 ティンカー・ベル ★★
ミラーズ ★★★
つぐない  (DVD) ★★★★☆
その木戸を通って ★★★★☆
ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー ★★★★
ゴーン・ベイビー・ゴーン (DVD) ★★★★☆
悪夢探偵2 ★★★
大阪ハムレット ★★★★
永遠のこどもたち ★★★★☆
エグザイル/絆 ★★★★
感染列島 ★★
誰も守ってくれない ★★★★☆
レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで ★★★★☆
プライド ★★★★
007/慰めの報酬 ★★★☆
2月 チェ 28歳の革命 ★★★☆
マンマ・ミーア! ★★★★
バンク・ジョブ ★★★★☆
旭山動物園物語 ★★★
ララピポ ★★★☆
チェ 39歳 別れの手紙 ★★★★☆
ベンジャミン・バトン 数奇な人生 ★★★★★
少年メリケンサック ★★★
鎧 サムライ・ゾンビ ★★☆
チェンジリング ★★★★★
ディファイアンス ★★★★
7つの贈り物 ★★
ノン子36歳(家事手伝い) ★★☆
3月 フェイクシティ ある男のルール ★★★★
ホルテンさんのはじめての冒険 ★★★★
ハルフウェイ ★★
パッセンジャーズ ★★★
ジェネラル・ルージュの凱旋 ★★★★
オーストラリア ★★★☆
ヤッターマン ★★★☆
ダウト -あるカトリック学校で- ★★★★
罪とか罰とか ★★★☆
愛のむきだし ★★★★★
リリィ、はちみつ色の秘密 ★★★★☆
ワルキューレ ★★★★
釣りキチ三平 ★★★☆
フィッシュ・ストーリー ★★★★
アストロノーツ・ファーマー (DVD) ★★★★☆
4月 鑑識・米沢守の事件簿 ★★
フロスト×ニクソン ★★★★
ドロップ ★★★★☆
ウォッチメン ★★★★
ザ・バンク/堕ちた巨像 ★★★★
ニセ札 ★★★☆
レッドクリフ PartⅡ ★★★★
クローズZEROⅡ ★★★☆
鴨川ホルモー ★★★★
スラムドッグ$ミリオネア ★★★★☆
ミルク ★★★★
おっぱいバレー ★★★★
グラン・トリノ ★★★★★
ヘルライド ★★☆
5月 GOEMON ★☆
チェイサー ★★★★★
バーン・アフター・リーディング ★★★★
デュプリシティ スパイは、スパイに嘘をつく ★★★
THE CODE/暗号 ★★★
60歳のラブレター ★★★
天使と悪魔 ★★★★
ウォーロード 男たちの誓い ★★★
消されたヘッドライン ★★★★
重力ピエロ ★★★★☆
ラスト・ブラッド ★★
ウェディング・ベルを鳴らせ! ★★★★
6月 スター・トレック  (2009) ★★★★
チョコレート・ファイター ★★★★☆
ターミネーター4 ★★★☆
インスタント沼 ★★★
おと・な・り ★★★★
ガマの油 ★★★☆
真夏のオリオン ★★☆
レスラー ★★★★☆
鈍 獣 ★★
ROOKIES -卒業- ★★
劔岳 点の記 ★★★★★
ウルトラミラクルラブストーリー ★★★★☆
トランスフォーマー/リベンジ ★★
いけちゃんとぼく ★★★★
宮本武蔵 -双剣に馳せる夢- ★★★☆
7月 新宿インシデント ★★★
ディア・ドクター ★★★★☆
愛を読むひと ★★★★☆
それでも恋するバルセロナ ★★★☆
ノウイング ★★☆
モンスターVSエイリアン ★★★★
MW ‐ムウ-
扉をたたく人 ★★★★☆
アマルフィ 女神の報酬 ★★
8月 サマーウォーズ ★★★★☆
山形スクリーム
ボルト (3D版) ★★★☆
サンシャイン・クリーニング ★★★★
HACHI 約束の犬 ★★★☆
G.I.ジョー ★★★
トランスポーター3 アンリミテッド ★★★☆
3時10分、決断のとき ★★★★☆
96時間 ★★★☆
9月 ちゃんと伝える ★★★★
グッド、バッド、ウィアード ★★★★
BALLAD 名もなき恋のうた ★★★★
女の子ものがたり ★★★☆
ホッタラケの島 遥と魔法の鏡 ★★★
サブウェイ123 激突 ★★★☆
しんぼる ××
TAJOMARU
火天の城 ★★★☆
キャデラック・レコード ★★★☆
カムイ外伝 ★★★
10月 のんちゃんのり弁 ★★★★☆
正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官 ★★★
ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~ ★★★★☆
クヒオ大佐 ★★★★
空気人形 ★★★★☆
ATOM ★★★★
さまよう刃 ★★
悪夢のエレベーター ★★★★
カイジ 人生逆転ゲーム ★★★☆
パンドラの匣 ★★★★
人生に乾杯! ★★★★☆
11月 風が強く吹いている ★★★★
母なる証明 ★★★★★
マイケル・ジャクソン THIS IS IT ★★★
ロボゲイシャ ★★★★
アンナと過ごした4日間 ★★★★
パイレーツ・ロック ★★★★☆
僕らのワンダフルデイズ ★★★★
スペル ★★★☆
笑う警官 ★★
ゼロの焦点 ★★☆
イングロリアス・バスターズ ★★★★☆
沈まぬ太陽 ★★★★
2012 ★★★
ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない ★★★★
曲がれ!スプーン ★★
Disney's クリスマス・キャロル ★★★☆
12月 あがた森魚ややデラックス ★★★☆
カールじいさんの空飛ぶ家 ★★★★☆
戦場でワルツを ★★★★
マイマイ新子と千年の魔法 ★★★★★
キャピタリズム マネーは踊る ★★★★
パブリック・エネミーズ ★★☆
牛の鈴音 ★★★★☆
映画は映画だ (DVD) ★★★★☆
スノープリンス 禁じられた恋のメロディ ×
アバター ★★★★★
アサルトガールズ
ロフト ★★★

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2009年1月 2日 (金)

2008年度・ベスト30 ワースト10発表

あけまして おめでとうございます。

今年もよろしくお願いいたします。

 

さて、いつも私のベストテンは、私のHPの方に掲載してるのですが、今年からはまずブログに発表して、その後HPに再掲する事にしました。

では、まず邦・洋混成の、私のベスト20

Okuribito 1位 おくりびと
 これはもう文句なし。題材の取り上げ方、脚本のうまさ、緩急自在の演出の確かさ。すべて満点です。
 コメディから人間ドラマまで、多くの秀作を撮って来た滝田洋二郎監督にとっても、これは生涯の最高作でしょう。個人的にも、最近身内を亡くしたばかりで、なおの事泣けて仕方がありませんでした。

2位 ゼア・ウイル・ビー・ブラッド
 重厚な力作。ダニエル・デイ=ルイスの熱演が光ります。詳細は作品評参照。

3位 ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト
 60歳を超えても、青春溌剌のストーンズに唸らされました。スコセッシの演出もダイナミックかつスタイリッシュで文句なし。ラストの、満月がトレードマークのベロマークに変わるシーンでは拍手したくなりました。

4位 その土曜日、7時58分
 シドニー・ルメットの復活が嬉しい。強盗犯罪サスペンスで始まり、ギリシア悲劇のような結末に終わる構成の見事さに、ただ声もない。圧倒される秀作。

5位 母べえ
 山田洋次、うまい、としか言いようがない。笑わせ、ホロリとさせ、戦争に突き進むあの時代の庶民像を的確に捕らえ、かつ全体を親子と家族の物語にまとめる構成・演出の見事さ。映画作りのお手本です。

6位 実録・連合赤軍 あさま山荘への道程 (監督:若松孝二)
 実は観た後、何度も原稿を書いては書き直し、しかしどうしても客観的にまとめられず、とうとう作品評を掲載しそびれました。それ程に私にとっては重い作品です。新左翼運動が如何に高揚し、そして瓦解して行ったかを見事に追求した、若松孝二監督にしか作れない、連合赤軍ものの最高傑作でしょう。…さて、何年もの間「連合赤軍」製作に意欲を燃やして来て、いまだ実現出来ていない長谷川和彦監督が、この作品をどう捕らえるのか、聞きたい所です。

7位 ガチ☆ボーイ
 詳細は作品評参照。泣けます。小泉徳宏監督は今後も注目です。

8位 崖の上のポニョ
 ストーリー的には破綻だらけなのですが、手づくりセル・アニメによる、宮崎監督の怒濤のごとき演出パワー、イマジネーションの洪水に圧倒されます。頭の中に巻き起こるイメージを、ここまで勢いのままに具現化出来る作家はそういないでしょう。

9位 ダークナイト
 アメコミ「バットマン」の世界を借りて、人間の内在する善と悪の相克をここまで描ききったクリストファー・ノーラン監督、それをビジュアルとして完璧に演じ切ったヒース・レジャー、共にお見事。…しかし我が国で、「ウルトラマン」や「仮面ライダー」を、こんなハイレベルの芸術にまで高められる脚本家や監督がいるだろうか(笑)。

10位 ノーカントリー
 こちらも、犯罪サスペンスを芸術レベルに押し上げたコーエン兄弟の力量に感服。

以上、ベストテンでした。

11位 WALL・E/ウォーリー
 地球の未来に警告を与え、かつピュアなラブ・ストーリーとしても感動させられる、ピクサー・アニメーションの新たな展開に拍手。

12位 シークレット・サンシャイン (監督:イ・チャンドン)
 不幸のどん底に突き落とされ、人生を迷い続けながらも、最後にささやかな光明を見出すヒロイン、チョン・ドヨンの存在感ある演技が秀逸。その彼女をずっと温かく見守り続けるソン・ガンホは相変わらずうまい。力作です。

13位 ぼくたちと駐在さんの700日戦争
 マンガチックなドタバタ騒動に、ホロリとした感動ドラマを巧妙にブレンドした構成がうまい。一歩間違えればメロメロに成りかねない、ギリギリの所で成功に導いた演出に非凡なものを感じます。塚本連平監督の次回作に注目です。

14位 歩いても 歩いても
 是枝裕和監督の成長ぶりが覗える、味わい深い秀作です。

15位 闇の子供たち
 現代社会の、人間の闇を骨太に描き切った阪本順治監督の演出が光る力作。子供たちの自然な演技が素晴らしい。

16位 ミスト
 さすがフランク・ダラボン監督、ホラーを撮らせても一級です。

17位 K-20 怪人二十面相・伝
 年末ギリギリに飛び込んだ、思わぬ拾い物の冒険活劇エンタティンメントの快作。日本映画でもここまで出来るようになった事に、感慨深いものがあります。

18位 イースタン・プロミス (監督:デヴィッド・クローネンバーグ)
 緊迫した、ヒリヒリする演出のテンションに圧倒されます。クローネンバーグ監督は着実に名匠の域に近づいていると思います。ヴィゴ・モーテンセンの体を張った演技も見どころ。

19位 告発のとき
 イラク戦争告発映画がいくつか登場した年でしたが、これはその代表作。スリリングなミステリーとしても楽しめます。

20位 その日のまえに (監督:大林宣彦)
 重松清の原作を大胆にアレンジ。過去の大林映画の断片に加え、宮沢賢治やくらむぼんまでぶち込んでコラージュした演出は評価の分かれる所ですが、メソメソ泣くよりも、爽やかな訣れにまとめた大林演出の姿勢は評価できます。何より、冒頭に登場する大林映画のトレードマーク“A MOVIE”が、この映画の方向性を示しています。ヒロインの最期のメッセージにはジンと来ました。ただし、夫を演じた南原清隆はやはりミスキャスト。妻を演じた永作博美が良かっただけに余計違和感が残りました。

…さて、以上がベスト20ですが、2008年は20本に収められないくらい秀作が目白押しでした。なのでもう10本、ベスト30まで紹介しておきます(タイトルのみ)。

21位 アキレスと亀
22位 ぐるりのこと。
    (監督:橋口亮輔)
23位 この自由な世界で (監督:ケン・ローチ)
24位 クライマーズ・ハイ (監督:原田眞人)
25位  潜水服は蝶の夢を見る (監督:ジュリアン・シュナーベル)
26位 さよなら。いつかわかること
27位 ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!
28位 スカイ・クロラ 
29位 勇者たちの戦場
30位 アクロス・ザ・ユニバース

・・・・・・・・・・・・・・

これでも網羅し切れないので、おマケとして、いわゆる秀作とは言えないけれど、腹を抱えて笑った、楽しいB級映画の快作=名付けて「愛すべきB級映画大賞」ベスト10の発表です。…本当はこちらが好みなのですが(笑)。

1位 ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン! ベストにも入れてますが、固い事はナシで…
2位 片腕マシンガール
3位 シューテム・アップ  
    「タマを撃ち尽くした」に笑った
4位 
Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!
5位 ワイルド・バレット
6位 トロピック・サンダー 史上最低の作戦
7位 
僕らのミライヘ逆回転 
  ホントはベストに入れたい秀作
8位 
ミラクル7号
9位 ギララの逆襲/洞爺湖サミット危機一発  邦画がこれ1本なのが残念
10位
燃えよ!ピンポン

・・・・・・・・・・・・・

最後に、こちらは腹が立つ駄作群「ワーストテン」の発表です。

1位 少林少女           文句なし
2位 L change the WorLd
3位 252 ‐生存者あり‐
4位 D-WARS ディー・ウォーズ
5位 ICHI
6位 僕の彼女はサイボーグ
7位 まぼろしの邪馬台国
8位 ゲット・スマート
9位 紀元前1万年
10位 ウォーター・ホース

上位に日本映画が並びました。毎年のことですが。

 
てことで、今年もよろしくお願いいたします。 m(_ _)m

(参考) 日本インターネット映画大賞 日本映画

     日本インターネット映画大賞 外国映画

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