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2009年1月 8日 (木)

「ティンカー・ベル」

Tinkerbell (2008年・ディズニー/監督:ブラッドリー・レイモンド)

ディズニー・アニメの古典である「ピーター・パン」の副主人公、ティンカー・ベルを主人公にして、その誕生、ピーターと出会う以前のエピソードを描く、スピン・オフ・ムービー。全4部作になる予定で、これはその第1作。

ティンカー・ベルはどこから生まれたのか、その名前の由来は何か、とか、これまで知られていなかった部分を題材にした辺りは、特にピーター・パンが大好きな子供たちや、昔感動した大人の観客を見込める点で、企画そのものは悪くはない。映像も、CGによるクリアで滑らかな動き、ネバーランドの美しい風景や、妖精たちのキャラクターも魅力的で、まずまずの出来ではある。

だが、個人的には、これはなんとも困った、異議申立てをしたい作品である。楽しめた人には申し訳ないが、以下その理由を述べたい。

 
ディズニー・アニメのポイントとは何か。それは、“愛と夢と冒険の物語”である…という点にまとめられる。現実から離れて、ひと時夢の世界に浸り、主人公と一緒に冒険をし、ハンサムな王子様や美女とめぐり会い、空を飛んだり、ドラゴンと戦ったり、海賊と一戦交えたり…そうして最後は王子様と結ばれてハッピーエンド。

どれも、現実には起り得ない夢の世界である。現実がハードな仕事や生活のやりくりや人間関係のしがらみに追われ、息苦しいからこそ我々観客は、映画館の中で現実を忘れて夢の世界に浸り、ストレスを発散したいのである。

ところがである。本作の主人公、ティンカー・ベルは、“もの作りの妖精”なのだそうである。ティンカー(Tinker)とは、辞書を引くと、“鋳掛け屋、よろず修繕屋”という意味があるので、そこからこの物語を発想したようなのである。

お話としてはティンカーが、もの作りなんてつまらない、とばかりに夢のような職業にあこがれたものの、最後は結局、背伸びせずに、汗水流す地道な労働が大切なんですよ、という教訓話で終わるのである。

私は観終わって、口あんぐりとなった。現実を忘れて夢の世界に浸りに来たのに、よりによってディズニー・アニメで現実の世界に引き戻されるとは思いもよらなかった。「ピーター・パン」というファンタジー冒険物語の副主人公ティンカー・ベルが、実は“なべカマ修理の名人”だった…なんて、悪い冗談である(笑)。「ピーター・パン」の原作者ジェームズ・M・バリーが天国でこれを聞いたらどう思うだろうか。多分ひっくり返るに違いない。

そもそも、“ティンカー”を、“鋳掛け屋、よろず修繕屋”と解釈する事自体、トンチンカンな勘違いである。ティンカーには別に、イギリスの古語で、“いたずらっ子, きかん坊”という意味がある(こちらの英辞書を参照)。
原作者の意図が、こっちの方にあるのは明白だろう。絶対に、“なべカマ修理の名人”という意味で名付けたのではない(笑)。

これが、ジョークやパロディならまだいい。しかし、映画はいたって真面目に、地道な労働の大切さを称えたままて終わるのである。
物語のどこにも、愛も、夢も、冒険もない。逆に、“夢なんかあきらめて、地道な生活を送りましょう”という現実的で味も素っ気もないメッセージに終始するのである。

別に、ファンタジーに社会的メッセージを入れるな、とは言わない。「WALL・E/ウォーリー」にだって環境汚染問題が登場している。

しかしそれはあくまで背景であって、メインは基本的に“愛と夢と冒険の物語”である。ウォーリーは常に、誰かと手を繋ぐ夢を見続け、冒険の旅を経て、その夢を実現するのである。

 
もう一つ、問題点がある。それは本作が、ディズニー・アニメの伝統であるセル・アニメではなく、3DCGアニメの方式で作られている点である。

CGアニメは、それはそれで長所がある。私も、ピクサー・CGアニメは大好きである。
しかし、少なくとも、ディズニー本家が作る「ピーター・パン」のスピン・オフ作品は、昔ながらの2D・セル・アニメで作って欲しかった。現に、つい数年前に作られた「ピーター・パン2/ネバーランドの秘密」はセル・アニメ方式だった(一部作業はデジタル化されてはいる)。

セル・アニメは確かに手間ヒマがかかる。動きもCGほど滑らかではなくギクシャクする。…それでも、デジタルに対するアナログとでも言うべき、手づくりの良さ、温かみがあって、CGアニメ全盛の今、昔のディズニー・アニメを観ると何だかホッとしていい気分になれるのである。今でも、例えばニック・パーク監督による「ウオレスとグルミット」シリーズは、粘土を1コマづつ動かしてはコマ撮りするという、気が遠くなる作業を繰り返して作られている。1本作るのに2~3年かかるのだそうだ。頭が下がる思いである。

おそらく、創業者のウォルト・ディズニーが生きていたなら、この作品は間違いなく、手描きセル・アニメで作られたに違いない。そして、“愛と夢と冒険”という基本ラインは決して外さなかっただろう。
そういう意味では、本作は厳しく言うなら、ウォルト・ディズニーの基本精神を踏み外した、“似非ディズニー作品”と言わざるを得ないのである。

そう言えば、本作には、春の準備に間に合わせる為、ティンカーが“自動彩色マシン”を作り、てんとう虫の背中の絵柄をオートメーションで仕上げるくだりがある。おかげで準備に間に合い、女王から感謝される。

でも、これってなんだか、手間ヒマかける作業を省力化し、手っ取り早くCGで仕上げる、今のアニメ作りを象徴しているようでもある。
“もの作りの大切さ”を訴えるテーマであるなら、そんな手抜きを奨励してはいけない気がするのだが…。

 
翻って、わが宮崎駿監督の「崖の上のポニョ」は、全編手描きによるセル・アニメで作られた。完全アナログ方式である。おまけに、物語はこれぞまさしく、“愛と夢と冒険のファンタジー”である。

言うなれば、本家のディズニーが放棄したかのような、正しいアニメ作りの精神を、ディズニー・アニメから多大な影響を受けたであろう宮崎駿が、確実に継承しているのである。皮肉な事である。

無論、ディズニー以外で作ったのなら、あるいは、「ピーター・パン」スピン・オフでないオリジナル・ストーリーであるなら、はたまたアニメでなく実写であったなら、これはそれなりに評価してもいい。そうでないから問題なのである。絵にしても、ある部分はリアルな3DCG,背景や一部シーンは旧来アニメ風メルヘン・タッチの絵…といった不統一感も気になる。

いろんな意味で、一本筋の通っていない、困った作品と言わざるを得ないのである。   (採点=★★

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コメント

はじめまして^^こんにちは♪
TBありがとうございました!

私はピーターパン好きでディズニーも
好きですので、結構楽しんだ作品なのですが
レビュー読ませて頂いて、なるほどと目からウロコでしたσ(^◇^;)

特に、>ティンカーには別に、イギリスの古語で、“いたずらっ子,
きかん坊”という意味がある・・・に納得!
確かにそのほうが私が今まで抱いていたティンクのイメージです^^

4部作と言うことなのですが、管理人さんは
続編はもうご覧にならないのでしょうか?

投稿: ひろちゃん | 2009年1月 8日 (木) 13:23

ひろちゃんさん、書き込みありがとうございます。
私も、ディズニー・アニメ、特に「ピーター・パン」は子供の頃見て以来、大ファンです。ビデオも持ってます。
それだけに、今回のような作り方にはガッカリです。「ピーター・パン」でのティンカーはやんちゃですね屋で、嫉妬深いところがまた愛嬌で、とっても愛すべきキャラクターだったのですがね。

最近のディズニー・アニメって、オリジナルが少なくて続編ものとか2番煎じばっかりですね。昔のディズニー・アニメに戻って欲しいものです。
「ティンカー・ベル」2作目以降はDVDスルーになるようです。気合が入ってませんね(笑)。2作目もとりあえず観たい気はありますが、それでつまらなかったら続きは観ないでしょうね。

投稿: Kei(管理人) | 2009年1月 9日 (金) 01:33

はじめまして、こんにちは
春ともうします


DVDで観たのですが、管理人さんの感想に少しひっかかりました。

まず、原作のティンカーベルも金物修理屋であること。
ティンとはスズの事で、イギリス人にはなじみの深い
金属です。いたずらっ子のイメージもあるとは思いますが
金物屋のイメージもまちがってはいません


そして3DCGへの過小評価
CGはけして手抜きではありません、とても手間のかかる手法です。実写のようにライティング専門のスタッフが必要ですし、それ相応の技術をもったアニメーターが
必要です。素人さんでも多少作れるのはセルでも同じ事、映画ともなれば3DCGを作る作業は本当に職人技です。手書きのほうが簡単とゆうものではないです


個人的な意見ですが
ティズニーの精神はけして「愛と夢と冒険」だけでは
ないと思います。アニメーションで一番大切な事
それは「子供達にどれだけ楽しんでもらえるか」です。
私自身、子供向けの作品を作っている者として
ティンカーベルをフォローさせてください


子供達が面白ければ手書きであろうがCGであろうが
かまわない、今の子供達にしてみれば手書きアニメは
楽しめないわけではないが「古い」のです。
ディズニーのモットーは「止まらず、進み続ける」
それはこの映画にも、映画を製作した側からも読み取る事ができます。古い技術ではなく新しい技術をもって
次の世代が喜ぶ物を作る、昔からのファンだけに作られた作品ではけしてありません。鑑賞者のメインの層に向けて一番受け取りやすい形で作るのです。

長文失礼しました

投稿: 春 | 2009年4月25日 (土) 00:26

>春さん、こんにちは。
書き込み、並びにご指摘ありがとうございます。

原作でも“金物修理屋”でしたか。
>原作者ジェームズ・M・バリーが天国でこれを聞いたらどう思うだろうか。多分ひっくり返るに違いない。
… という部分については適切ではありませんね。修正させていただきます。

ただ、本文にも書きましたが、ティンカーベルが“金物修理屋”だという事は、「ピーターパン」の物語とはまったく関係がありませんし、ティンカーベルのキャラクターともイメージが合いません。
だから本作での、実際にティンカーベルに金物修理の仕事をさせ、それを天職にする…という展開は、原作者バリーの本意ではないであろうし、却って名作「ピーターパン」の感動をぶち壊しているのではないか…という私の考えは今でも変わりません。


次に3DCGについて。
CGの作成に大変手間がかかる事は私も承知しております。ピクサーのCGアニメも、製作に大変な手間がかかっているであろう事はよく分かります。
しかし、例えばセルアニメで100匹の犬を動かそうとすれば、セル1枚ごとに細かく1匹ごとの動きをつけねばならず、気が遠くなるような作業を必要とします。
その点CGだと、1匹の動きをコピーすればいいので時間も労力もセルアニメより少なくて済みます。
人物の複雑な動きだって、モーション・キャプチャーを使えばセルアニメよりずっと楽でしょう。
1時間半のセルアニメを作るのに、セルの数は10万枚以上、200~300人ものスタッフが総がかりで2年くらいの時間がかかります。それでも動きはギクシャク、CGほどスムースではありません。
CGの方はその点、人手も時間も少なくて済み、かつ動きは滑らか、実写にひけを取らないくらいのリアルな質感を再現出来ます。

>手っ取り早くCGで仕上げる… という言い方は確かに適切ではなかったかも知れません。お詫びします。
ただ言いかかった事は、手書きセルアニメには、大変な手間と時間がかかるけれども、その分、手作りの温かみが感じられる…という点なのです。

確かに「古い」と言えばそれまでです。でも、セルアニメだろうとCGアニメだろうと、大事な事は、作り手の思いが確実に伝わる、丁寧で心を込めた作品作りがなされているか…という事ではないかと思うのです。それがあれば、技術が新しかろうと、古かろうと、必ず観客から熱い支持を得られる事でしょう。

現に、手作りセルアニメにこだわった宮崎駿作品は、熱狂的に支持されています。反面、CGアニメでありながら、「サーフズアップ」や「森のリトル・ギャング」などは見事にコケてしまいました。

最近のディズニー・アニメを見ていると、「アトランティス」とか「トレジャー・プラネット」とか、変に観客に媚びてどっかで見たようなものばかりで、心を打つ作品がありません。今回の「ティンカーベル」でも、安易に「ピーターパン」のスピンオフ企画で、アメリカではハナからDVDスルー。二番煎じで、DVDがそこそこ売れればいい…といった魂胆が見え見えで、まるで熱意が感じられません。
こんな事でいいのだろうか…という思いが、少し厳しい文章になったかも知れませんが、私の思いを理解していただければ幸いです。

ディズニーの看板を掲げるなら、オリジナリティ溢れる企画で、大人から子供まで楽しめる、後世に残る素晴らしい名作を生み出して欲しい… 私は切にそう望んでいます。

子供向けの作品をお作りになっているそうですね。是非、子供さんたちを楽しませる、素敵な作品が完成いたしますよう、お祈り申し上げます。早々。

投稿: Kei(管理人) | 2009年4月28日 (火) 02:03

ウェンディーの元へ 修理完了したオルゴール人形を届けに


夢だったメインランドへ旅立つ事が実現出来たと言う事


これこそ 【夢の実現】ではありませんか?


また セルではなく CGは 現代の子供達や若者達の感覚を考慮されて 創られた作品だと思えます。


古いお考えはやはり 近代には相応しくないですし ディズニーアニメは一応子供達を対象に制作されると思われますからね。どうしても、新しい感覚を好むでしょうし。管理人さんのおっしゃりたい事も解らなくはありませんが


ちょっとだけ

目線を変えて

今一度 DVDでご覧になられたら如何でしょうか?


長文になりましたが、大変失礼しました。

また
ここまで お読み頂きまして ありがとうございました。

何分にも未熟者で 不愉快な思いをされたのでしたら、どうかお許しくださいませ。

投稿: ティンク | 2009年10月 6日 (火) 18:19

すみません。大変申し訳ありませんが 最初のコメ 確認 だけで 投稿 をせずに次のコメに書き込みしてしまいました。

大失敗です。お許しくださいませ。この後 再度 書き込み やり直しますのでご了承ください。

投稿: ティンク | 2009年10月 6日 (火) 18:39

大変失礼しました。初コメさせていただきます。

私的には この映画ティンカーベルはちゃんと夢と魔法と冒険の基本に沿って作成されていると思いますけど。管理人さんはディズニーの基本からかけ離れた内容にガッカリされたご様子ですが。


では 何処にどの様な場面に?と突っ込まれそうですね?


はい

では ご説明させて頂きます。

まず

夢 は と 言います ティンカーベルは 最初 風の妖精や花の妖精、水の妖精光の妖精達を羨ましく思い 自分にも出来ると勘違いし 努力するも失敗に終わるのですが、とにかく 【メインランド】に行きたい それが ティンカーベルの夢 です。


次に

努力=冒険だと私は思います。
ネズミのチーズと走りアザミを追い掛けたり、ホタルに光を与えようとして失敗して、ホタルに追いかけられたり 鷹に襲われたり の 場面ですね。

そんな 失敗の連続の中で


ふと 壊れたオルゴールを無我夢中で修理する事で 皆から 凄い 凄いと褒め讃えられ


やっと 自分のやるべき仕事に気付きます。


ここまでは 今の子供達や若者達が失いつつある 自分 と言う大切な、存在に気付かせる

そして また エールを送る内容かと。

これまでのストーリー中 風の妖精は自分だけの世界に孤立して 自分意外の妖精やその仕事に対して 差別し 見下します
最近のディズニースタッフ達は
そんな差別に対する 認識が強く ハイスクールミュージカルでも キャスティングはあらゆる 人種 を取り入れていますよね。


管理人さんは 差別的な見方をされていませんか?

実際に この世の中に その様なお仕事をされている方々がたくさんいらっしゃいますので


差別的な言動はお控え下さいます様、お願いします。


さて

本題にもどりますが

ティンカーベルは自分の才能に気付き、その道で 生きて行こうと決意しますが 想わぬ展開が やって来ます。


自分の精で、春が来ないと


そこで 残された時間内に 春を呼び起こそうと 必死に四苦八苦し やっと 実現出来る所までたどり着くのですが 自分一人では 何も出来ないからと ピクシーフォローの住民達と協力の元 春を迎えられました。

ここでは 子供達に協調性を教えていますね。大切な事です。
結局 独り孤立していた風の妖精は 女王に罰せられ ずっと走らせられる羽目になりました。
続きます。

投稿: ティンク | 2009年10月 6日 (火) 19:26

こうしてティンカーベルは

ピクシーフォローの危機を救った ご褒美にメインランドへ行ける事になりましたが ティンカーベルは


もう いいんです。私にはここで まだ やらなければならない仕事がありますから 行きません と 断るも

他の妖精や女王達にも激励され
物作りの責任者(すみません、名前を忘れました)に あなたには これを届けなければならない仕事がありますよ と

キチンと修理された壊れたオルゴール人形を

差し出されます

そして 念願だったメインランドへ仲間と飛び立ちます。


夢は間違いなく叶いましたね!

オルゴール人形を無くしたウェンディーは

窓辺に無くしたオルゴール人形に気付き、喜びますが 何処から そのオルゴール人形が戻って来たのか


現実には有り得ない

そうです

それは魔法だからです。

私の考え方
おわかり頂けましたか?


何分にも 長文の上に 文面が 前後してしまいまして 読みにくく、ご迷惑 お掛けして申し訳ありませんでした。

投稿: ティンク | 2009年10月 6日 (火) 19:43

ティンクさん、こんばんは。

長文の書き込みありがとうございます。いろんなご意見を書き込まれる事は歓迎です。どうぞご遠慮なく。

さて、私の批評に対してのご意見、拝見いたしました。

ティンクさんは、私の、>ウォルト・ディズニーの基本精神を踏み外した失敗作…
という意見に大して反論されておられます。“この作品にだって、ちゃんと夢と魔法と冒険の基本に沿って作成されていると思いますけど”という主旨ですね。

確かに、一見、“愛と夢と冒険”というディズニー・ファンタジーの要素は盛り込まれているように見えます。
でも、私が言いたかったのは、“この作品に描かれた愛と夢と冒険は、かつてのディズニーが構築してきたそれとは大きく違ってる”という点なのです。

最近の邦画で「のんちゃんのり弁」という作品はご覧になりましたか?いずれ批評を書きますが、これはバツイチで自分の生き方を見つけられなかった30才の女性が、“自分の手で弁当屋を開く”という夢を抱き、その夢の実現に向って奮闘し、ついでに少女時代の初恋の相手とちょっぴり愛も育み、遂にその夢を実現するまでのお話です。まさに“愛と夢と冒険”の物語です。
つまり、どんなにリアルな日常の生活や仕事に密着してても、愛と夢と冒険は語れるわけです。…でも、ディズニーが描いて来た方の愛と夢と冒険とは、全然方向性が異なりますよね。

拙文の最後に私は、>ディズニー以外で作ったのなら、あるいは、「ピーター・パン」スピン・オフでないオリジナル・ストーリーであるなら、はたまたアニメでなく実写であったなら、これはそれなりに評価してもいい。…
と書いてますよね。まさにそこなのです。“ものづくりの大切さを教え”、“どんな仕事だろうと、汗を流して働く事は素晴らしい事”というテーマは確かに立派です。いい事です。他の作品だったら感動したかも知れません。

でも、よりによって、夢と冒険の「ピーター・パン」のサブキャラクター、ティンカーベルです。そこが間違いなのです。

ティンクさんは、過去のディズニー・アニメをどれくらい見ておられますか。

空を自由に飛びまわり、海賊と戦い、ドラゴンと戦い、魔女や悪女をコテンパンにやっつけ、王子さまと出会い、幸せに暮らす…
どれも、現実にあり得ない、夢の世界です。“働く事が大切”だの、“夢を追いかけるよりも、現実を見据えましょう”なんてテーマの作品は1本もなかったはずです。子供たちも、大人の観客も、批評家も、ディズニー・アニメにそんなものは求めていないのです。

シンデレラが、「やはり私、王子様と結婚するなんて夢を追うより、地道に針仕事をコツコツやる方を選びます」なんて事を言ったら、ドッとシラけます。ブーイングの嵐です(笑)。ディズニー・アニメが、それをやってはいけないのです。

それだけでなく、「ピーター・パン」の物語におけるティンカーベルの役割をよく思い起こしてください。
ティンカーベルは、ピーターと一緒に真夜中、ウェンディの家にやってきます。彼女の金の粉を振りかけると、ウェンディたちは空を飛べるようになります。そしてロンドンの街から離れて、空想の島、ネバーランドに旅立ちます。
彼女は、現実を離れ、観客を夢の世界にいざなう夢前案内人…という存在なのです。彼女に出会えば、うるさい大人も、現実の憂さもすべて忘れていっときの空想に浸れる…そういうシンボル的存在として位置づけられているのです。

そんな彼女が、元は修理職人で働く事の大切さを学んだ事がある…なんて過去があったとしたら、「ピーター・パン」における彼女の存在は何だったんだ?という事になってしまいます。

分かり易い例を挙げましょうか。
「仮面ライダー」はご存知ですよね。悪の組織・ショッカーと戦う正義のヒーローです。
この主人公が、戦ってない普段はバイクで“そば屋の出前配達”という仕事で走り回ってる…なんてシーンを入れたら、ギャグになっちゃいますね(笑)。イケメン主役の熱狂的ファンなんかは「やめて、夢が壊れる!」と悲鳴を上げるでしょう。

「そば屋の出前」は立派な職業です。でも正義のヒーローが職業にしちゃいけないんです。ミスマッチです。―つまり、“それはやっちゃいけない”事なのです。

分かっていただけますでしょうか。

最後に、>管理人さんは 差別的な見方をされていませんか?
>差別的な言動はお控え下さいます様、お願いします。
という点について。

私はまったくそういう意図はありません。
職業に貴賎はないし、どんなお仕事だって、社会の役に立っているなら貴い事だと思います。ただ、以上に書いた事からもお分かりのように、“よりによってティンカーベルが地道な仕事を持っていた”事を非難したかったわけで、その仕事がとるに足らないつまらない仕事だ…と言ってるわけじゃないのです。

でも、誤解を招かれたとしたなら、私の文章の拙さのせいかも知れませんね。申し訳なく思います。

長文になりましたが、私の考えをお汲み取りいただき、ご理解をいただけたら幸いです。これからもいろいろご意見、お待ちしております。よろしく。

投稿: Kei(管理人) | 2009年10月 9日 (金) 01:51

>その点CGだと、1匹の動きをコピーすればいいので時間も労力もセルアニメより少なくて済みます。

ええっと…
CGアニメーションで、同じ動きをしてる生き物とか
見た事おありですか?CGを判子か何かと勘違いして
いませんでしょうか…?その程度の認識で3DCGを
手抜きと言って貶めるのは
恥ずかしいくらいの勉強不足ですよ

管理人さんは、本作がご自分の趣味やこだわりと
合わなかったと言うだけでアニメの手法に優劣をつけていますね。

正しいアニメとは必ずしも
手描きでなくてはならないとは管理人さんの
個人的な主張ですよね(同意しかねますが)
夢と冒険の解釈にもこだわりを感じますが
そんな個人的な理由で評価を貶められるティンカーベルが可哀想になってきましたよ。

CGを手抜きと豪語する前に
少しはメイキングなどを見てアニメーションについて勉強するべきです。ディズニーよりも勉強不足なのは管理人さんです、アニメーターにもクリエイターにも失礼すぎます

投稿: 通りすがり | 2011年1月21日 (金) 05:13

こんにちわ

随分前の記事なので、今更なコメントですし、管理人さんも見られているか分かりませんが、是非コメントさせて下さい。

私も、ティンカーベルの映画支持派です。が、管理人さんのおっしゃりたいこともわかります。

最初にティンカーベルの映画の宣伝を見た時、なんじゃこりゃと思いました。ピーターパンのティンクと全然違うじゃないか!と。
なので管理人さんが、「ティンカーベル」のティンクにがっかりされたお気持ちはわかります。
でも映画を見た後は最初程の違和感はなくなりました。
ティンカーの件はすでに解決済みとして、癇癪持ちで、好奇心旺盛、いたずらっ子とはちょっと違いますが、トラブルメーカーなところなど、「ピーターパン」のティンクと設定上そう変わりません。
顔を真っ赤にして怒るところも同じです。
ティンクが言葉を話すことにも違和感を覚えましたが、人間にはティンクの声が鈴の音に聞こえるところも同じ。
なので今の私には「ピーターパン」のティンクのイメージを壊しているとは思えません。

でもやっぱり、「ティンカーベル」のティンクは「ピーターパン」のティンクとは別もののように見えてしまうのは事実なので、管理人さんのように感じられる方がいても仕方ないと思います。

でも、それを抜きにしても、私はこの映画をとても良い映画だと思いました。
もちろん、ディズニー映画として見ても、です。
まず、「汗水流す地道な労働が大切なんですよ」というテーマに関してですが、私はあまりそこは気になりませんでした。単純に、ティンクが自分の才能に誇りを持つことができ、自分の力でメインランドへの道を切り開き夢を叶えた。もうそこで感動の嵐です。皆の役に立つことができて、皆に才能を認めて貰えてハッピーエンド。まさしくディズニーじゃないですか。虫の装飾が道具で手抜き云々は、そんな現実的な突っ込みこそディズニー映画ではタブーのはずです。そんなこと言ったら他のディズニー映画にも突っ込みどころは沢山あるはず。
そもそもシンデレラの例えもいまいちですよ。
>シンデレラが、「やはり私、王子様と結婚するなんて夢を追うより、地道に針仕事をコツコツやる方を選びます」なんて事を言ったら、ドッとシラけます。ブーイングの嵐です(笑)。>
ティンクは夢を追うのを止めるなんて言っていません。ティンクの夢は他の妖精と同じ能力を持つことではなく、メインランドへ行くこと。その夢を叶える過程で自分の才能を自分で認めることができたのを、汗水流す地道な労働…と表現するのはなにかひっかかりを感じます。まあこの映画のメッセージであるのは事実でしょうが、シンデレラが針仕事云々とはわけが違います。上手い例えとはいえませんし、悪意を感じてしまいます。
それに、シンデレラは夢を叶えるまで、夢を信じながらも毎日の労働に耐えてきたはず。あまりの苦しさに一度はもう夢を捨てかけたけど、最後にはちゃんと叶いますよね。

>「どんな仕事だろうと、汗を流して働く事は素晴らしい事”」というテーマは確かに立派です
>子供たちも、大人の観客も、批評家も、ディズニー・アニメにそんなものは求めていないのです
>オリジナリティ溢れる企画で、大人から子供まで楽しめる、後世に残る素晴らしい名作を生み出して欲しい…
についてですが、これに関しては前田有一さんの映画批評サイトから引用させて頂きます
>たとえばこのアニメ映画をお父さんと娘がみると、娘は美しい映像と夢いっぱいの御伽噺に目を輝かせることだろう。だが、一方のお父さんは、まったく別のメッセージを受け取り涙することになるはずだ。
>この映画は、自信を失ってしまった覇権国家アメリカの労働者を励まし、汗水流す地道な労働を賛美する、まれにみる社会派ムービーである。
>映画ライターの間には「子供も大人も楽しめる」という便利な常套句があるが、これを見た後ではもう気軽に使うことはできなくなりそうだ。「子供も大人も楽しめる」のは事実だが、『ティンカー・ベル』の場合、子供と大人にまったく違った物語を同時に見せた上で、それを実現しているのだ。

私もこの意見に賛成です。
ですが管理人様の仰りたいことも分かります。
つまり、
>“この作品に描かれた愛と夢と冒険は、かつてのディズニーが構築してきたそれとは大きく違ってる”という点なのです。
の、かつてというのは、ディズニークラシックスに見られるディズニーの王道展開的ストーリーを指しているのですよね。
確かに、そういった映画に比べると、舞台設定こそファンタジーとはいえ、教訓めいているし、現実的。初期の作品のような「愛と夢と冒険」とは違うかもしれませんね。つまり、ディズニーに社会派を求めていないと。私は気になりませんでしたが、そのような考え方もあると思います。
また、昔のような美しいセル画アニメーションが近年の作品に見れなくなってしまった事を残念に思うお気持ちも、ようくわかります。これについては同意見です。
しかし、いまいち納得できないのは、管理人様が、ピクサー映画を支持されているという点。
ピクサー映画の愛と夢と冒険は、管理人様の指すディズニークラシックスのものとは少し違うと思いますし、ウォーリーを例に挙げられていましたが、そこもいまいち説得力に欠けます。
私は、「ティンカーベル」の夢や冒険は、ピクサー映画に近いと思うのです。設定はファンタジー。だけど日常的な教訓を学べるのも、ピクサー映画の特徴ですよね。バグズライフなど、ティンカーベルに展開が似ています。
ピクサーとディズニーが違うとは言わないでくださいね。ディズニーにはまた、昔のような作品を作って欲しいのはもちろんですが、>オリジナリティ溢れる企画で、大人から子供まで楽しめる、後世に残る素晴らしい名作を生み出して欲しい>というのなら、「ティンカーベル」はまさにそれだと思いますし、また逆に、昔のような王道的ストーリーを、「ラプンツェル」のように、ピクサーの技術と合わせて作成することもあるのです。
他の方のコメントにもありましたが、ディズニーは常に前進しているのです。
ですから、ディズニーの映画でなければ良い作品であったというのは、不適切だと思います。ディズニー映画に何を求めるかは人それぞれですが、いろいろなタイプの作品がある、しかし夢や希望という根底は揺るがない。それがディズニーだと思います。たとえテーマが社会派だったとしたもです。

また、ピクサーを支持している上で、CGを批判するのは矛盾しているのでは?
確かにピクサーと比べると技術は劣るし、セル画アニメーションを支持する気持ちもわかりますが、それではディズニーの最近の傾向に不満があるという管理人様の気持ちが先行していて、映画そのものの批評になっていません。
商業的な意味合いはあると思いますが、CGのほうが楽だからというわけではないと思うので、その観点からの批評はナンセンスです。

商業的、観客に媚びているという点においては、ディズニー映画の歴史において大分前から見られた傾向です。

ジブリと比較するのも変ですね。千と千尋ではCG技術も使用していましたし、崖の上のポニョは、アニメーションとしては、最高傑作ですが、芸術アニメに偏りが大きいのが事実。商業映画を作り続けているディズニーと比べて何の意味があるのでしょうか?
これは余談ですが、ジブリの夢と冒険に関していえば、それこそ昔の王道さと、現在のものとは違いが見られますね。

長くなりましたが。いいたいことは大体カバーできたと思います。
管理人様が見てくださるかもわからないのに、完璧な自己満足でしたが、読んでいただけたら幸いです。
それではお邪魔しました。

投稿: ゆい | 2012年2月16日 (木) 03:03

度々すいません
上記で自己満足で書いたと言いましたが、もしよろしければいくつか質問にお答えして欲しいです。

まず、2DではなくCGということを批判されていますが、2DでもCGでも手を抜こうと思えばぬけるし、ディズニー映画だからと言って、2Dでウォルトが生きていた頃のような美しいアニメが今のディズニーアニメで再現されると思いません。それとも単に2Dならいいのですか?下手な2D映画やCG映画に比べれば、ティンカーベルはかなり綺麗だったと思います。単にCGが嫌いというならまだしも、ピクサーはお好きなようなのに、なぜそこまでこだわるのかが分かりません。十分手が込んでいた映像美だったのに、どこに不満があるのですか?
>セルアニメだろうとCGアニメだろうと、大事な事は、作り手の思いが確実に伝わる、丁寧で心を込めた作品作りがなされているか
と書かれていますが、その条件に十分当てはまる完成度だったと思いますよ。

また、他のピクサー作品のテーマ性の豊さを高く評価されている記事を読みましたが、上記で書いたとおり、管理人さまのこだわる、初期のディズニーのファンタジーには、テーマ性はあまり感じられませんよね。
障害を乗り越えてハッピーエンド。が、従来のディズニー映画で、管理人さまはそのようなディズニー映画を支持するような発言が多いようです。それに関して言えば、障害を乗り越え、学びがあり、ハッピーエンドが、近年のディズニー映画(ピクサー含む)に多いと思うのですが、ティンカーベルはまさにそのような映画でした。
これだけのテーマ性、感動があり。何故ピクサーとは区別されるのか、そこもよくわかりません。

ウォーリーでの例えの件ですが、
>別に、ファンタジーに社会的メッセージを入れるな、とは言わない。「WALL・E/ウォーリー」にだって環境汚染問題が登場している。

>しかしそれはあくまで背景であって、メインは基本的に“愛と夢と冒険の物語”である。ウォーリーは常に、誰かと手を繋ぐ夢を見続け、冒険の旅を経て、その夢を実現するのである

これに対して、他の方のコメントと被りますが、ティンクがメインランドへ行く夢、それに向けて妖精の国で巻き起こす騒動(これを冒険と見れないなら、他にも冒険のないディズニー映画はいくらでもある。)、そして自分の才能を認めるという学びがあり、自分の才能を生かしてオルゴールを届けて、ハッピーエンド。
「労働云々」は隠れたテーマでしかありません。

これにたいして。
>確かに、一見、“愛と夢と冒険”というディズニー・ファンタジーの要素は盛り込まれているように見えます。
でも、私が言いたかったのは、“この作品に描かれた愛と夢と冒険は、かつてのディズニーが構築してきたそれとは大きく違ってる”という点なのです。
といって「のんちゃんのり弁」を例に出していましたが、妖精の国の話とバツイチの女性の話を一緒にするのはいかがかと…。
>どんなにリアルな日常の生活や仕事に密着してても、愛と夢と冒険は語れるわけです。…でも、ディズニーが描いて来た方の愛と夢と冒険とは、全然方向性が異なりますよね。
当然です。そもそもティンカーベルは日常ではありませんよね。

ファンタジーの中でも、私たちが共感して学べる感動を与えるのがピクサーのはず。そこについては、他の記事を読む限り、管理人様と私は同意見のように思います。
そして、ティンカーベルも、ピクサーと同じです。日常の中で夢や冒険を描いているわけではないでしょう。シンデレラ同様例えがおかしいうえに、まるで答えになっていません。
そこのところ、改めてお答えしてもらえると嬉しいです。

そして最後にもうひとつ。
>ティンカーが、もの作りなんてつまらない、とばかりに夢のような職業にあこがれたものの、最後は結局、背伸びせずに、汗水流す地道な労働が大切なんですよ、という教訓話で終わるのである。
と、ここに一番のこだわりと憤りを感じられているようですが、ディズニーに夢と冒険を求め、社会派を求めないなら何故そんな捻くれた解釈をしてしまったのか不思議です。

労働云々に関して、私は前田さんの記事を引用させて頂きましたが(やってはけないことだったらすみませんでした)、私自身の解釈としては、ティンクは他人に憧れてばかりだったけど、人にはそれぞれのよさと役割があるんだよという学びだったと思います。
このほうが子供向けだし、実際エンディングの日本語版の歌詞でもそういってますし…

>空を自由に飛びまわり、海賊と戦い、ドラゴンと戦い、魔女や悪女をコテンパンにやっつけ、王子さまと出会い、幸せに暮らす…
どれも、現実にあり得ない、夢の世界です。“働く事が大切”だの、“夢を追いかけるよりも、現実を見据えましょう”なんてテーマの作品は1本もなかったはずです。子供たちも、大人の観客も、批評家も、ディズニー・アニメにそんなものは求めていないのです。
と仰るわりに、何故純粋にディズニーらしい受け取り方をなさらなかったのか謎…ピクサー批評ではそんな感じなのに…
>働く事が大切”だの、“夢を追いかけるよりも、現実を見据えましょう
なんて別に言ってないと思います。

この批評では冒頭で断言していますが、何故そう思ったのか説明していただけると嬉しいです。

随分と昔の話なので書いたご本人様も忘れていることもあると思いますが…

最初は書いて、読んでもらえるだけで満足だったのですが、他の記事を読ませていただいて、しっかりしているだけに、気になってしまいました。

ご無理を承知ですが、よろしくお願いします。


投稿: ゆい | 2012年2月16日 (木) 06:42

思わずコメントを全部読んでしまったけど
管理人さん逃げちゃったのか。結局指摘された所も直してないし無駄なレビューだな

投稿: ティンカー | 2013年4月 6日 (土) 11:02

小学生の妹はこの話が大好きだし、私もわくわくして大好きです。
多分、管理人さんは大人になってしまったんだよ!
ティンカーは子供にしか見えないんだから、楽しさが分からなかったり、夢が見えないのは自分の問題でティンカーのせいじゃないと思う

投稿: | 2013年10月21日 (月) 15:27

数年前に書かれたブログにコメントさせて頂きます。
とても時間がたっているのにごめんなさい。

十人十色の言葉の通り、
一つの映画を観ても、感想はその方それぞれなんですね。

ティンカーベル、イマイチでしたか~。

私はあまりそうは思わなかったのですよ。

ティンカーベルのシリーズは、
「ネバーランドの海賊船」まで観ましたが、
とても良かったですよ。

第一作の「ティンカーベル」も見方によっては、
必ずしも教訓的と感じる必要はないのではないかと思います。

第一作で描かれているのは、
ティンカーベルが、自分のライフワークに出会うまでのストーリーが描かれていると、
私は感じています。

ライフワーク、
天職とも言ったりしますが。

ティンカーベルには元々「モノつくり」の素晴らしい才能があるにも関わらず、
自然を担当する妖精の仕事に憧れるあまり、
抵抗して、トラブルを起こしながら、でも最後は本筋に戻っていきますよね。
辛い経験をしながらも、だからこそ、自分の才能の価値に気づき、
「モノつくり」こそが、自分が一番輝ける仕事なんだと、
心から納得していくんだと思います。

私達人間も、生活のため仕事をせざるを得ませんが、
本当は、心から楽しいと思えること、心からやりたいと思えること、
いわばライフワークのようなものを見つけることが出来れば、
もっと幸せな人生を送れるのだと思います。

人の場合は、ライフワーク、天職のようなものに
必ずしも出会えるわけではなく、
そういう意味では、ティンカーベルの世界は、理想的。
妖精たちが生まれながらにしてライフワークに目覚め、
輝く人生を送っていく設定とも言えるのかなと思います。

第二作以降も、ティンカーベルは「モノつくり」の才能を最大限に活かし、
実にイキイキと描かれています。
ティンカーベルなので、何かとトラブルはつきものですが、
そのトラブルを乗り越えて、
素晴らしい結果をつかみ取るようなお話しです。

もし良かったら、観てみてください。

投稿: tantan | 2016年6月17日 (金) 18:15

◆tantanさん
コメントありがとうございます。

tantanさんがお気に入りなのはよく分かるのですが、
まず1点、書かれてますように、>一つの映画を観ても、感想はその方それぞれ
誰がどう感じようと、その人がそう感じたのなら、それでいいのです。
だから私が書いた事は、私が観た直後に感じた事、ありのまま、すべて書き尽くしてますので、
「私はそう思いません」と言われても、「ああそうですか」としかお返事しようがありません。

第2点、上にも書いてますが、私の不満は、この頃のディズニーが、興行的に低調でロクな作品がなく、苦し紛れに自作の名作の続編やスピンオフばかり(アラジン、美女と野獣等々)をビデオスルーで出すという、財産の切り売りみたいな事をやってる事に腹が立ったという事もあります。「ピーター・パン」の愛すべきサブキャラ、ティンカーベルまで切り売りし、しかも「ピーター・パン」とはまったく違うキャラクターに改変してしまってる、そういう暴挙に呆れてしまったという事もあります。
私が本文に書いた事をもう一度引用します。
>(これが)ディズニー以外で作ったのなら、あるいは、「ピーター・パン」スピン・オフでないオリジナル・ストーリーであるなら、(中略)これはそれなりに評価してもいい。
…という事です。

それにしても、公開直後ならまだしも、見てから何年も経って、もうほとんど記憶も薄れかけてますので(実は公私共に身辺多忙の身でして)、本当の所はご勘弁いただきたいというのが正直な所です。tantanさんの文章は簡潔で読み易いので、お返事する気になりました。
今度は是非新作について、ご感想お寄せいただければ幸いです。よろしく。

投稿: Kei(管理人) | 2016年6月20日 (月) 23:23

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