ベスト30 ワースト10発表
あけまして おめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
さて、いつも私のベストテンは、私のHPの方に掲載してるのですが、今年からはまずブログに発表して、その後HPに再掲する事にしました。
では、まず邦・洋混成の、私のベスト20。
1位 おくりびと
これはもう文句なし。題材の取り上げ方、脚本のうまさ、緩急自在の演出の確かさ。すべて満点です。
コメディから人間ドラマまで、多くの秀作を撮って来た滝田洋二郎監督にとっても、これは生涯の最高作でしょう。個人的にも、最近身内を亡くしたばかりで、なおの事泣けて仕方がありませんでした。
2位 ゼア・ウイル・ビー・ブラッド
重厚な力作。ダニエル・デイ=ルイスの熱演が光ります。詳細は作品評参照。
3位 ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト
60歳を超えても、青春溌剌のストーンズに唸らされました。スコセッシの演出もダイナミックかつスタイリッシュで文句なし。ラストの、満月がトレードマークのベロマークに変わるシーンでは拍手したくなりました。
4位 その土曜日、7時58分
シドニー・ルメットの復活が嬉しい。強盗犯罪サスペンスで始まり、ギリシア悲劇のような結末に終わる構成の見事さに、ただ声もない。圧倒される秀作。
5位 母べえ
山田洋次、うまい、としか言いようがない。笑わせ、ホロリとさせ、戦争に突き進むあの時代の庶民像を的確に捕らえ、かつ全体を親子と家族の物語にまとめる構成・演出の見事さ。映画作りのお手本です。
6位 実録・連合赤軍 あさま山荘への道程 (監督:若松孝二)
実は観た後、何度も原稿を書いては書き直し、しかしどうしても客観的にまとめられず、とうとう作品評を掲載しそびれました。それ程に私にとっては重い作品です。新左翼運動が如何に高揚し、そして瓦解して行ったかを見事に追求した、若松孝二監督にしか作れない、連合赤軍ものの最高傑作でしょう。…さて、何年もの間「連合赤軍」製作に意欲を燃やして来て、いまだ実現出来ていない長谷川和彦監督が、この作品をどう捕らえるのか、聞きたい所です。
7位 ガチ☆ボーイ
詳細は作品評参照。泣けます。小泉徳宏監督は今後も注目です。
8位 崖の上のポニョ
ストーリー的には破綻だらけなのですが、手づくりセル・アニメによる、宮崎監督の怒濤のごとき演出パワー、イマジネーションの洪水に圧倒されます。頭の中に巻き起こるイメージを、ここまで勢いのままに具現化出来る作家はそういないでしょう。
9位 ダークナイト
アメコミ「バットマン」の世界を借りて、人間の内在する善と悪の相克をここまで描ききったクリストファー・ノーラン監督、それをビジュアルとして完璧に演じ切ったヒース・レジャー、共にお見事。…しかし我が国で、「ウルトラマン」や「仮面ライダー」を、こんなハイレベルの芸術にまで高められる脚本家や監督がいるだろうか(笑)。
10位 ノーカントリー
こちらも、犯罪サスペンスを芸術レベルに押し上げたコーエン兄弟の力量に感服。
以上、ベストテンでした。
11位 WALL・E/ウォーリー
地球の未来に警告を与え、かつピュアなラブ・ストーリーとしても感動させられる、ピクサー・アニメーションの新たな展開に拍手。
12位 シークレット・サンシャイン (監督:イ・チャンドン)
不幸のどん底に突き落とされ、人生を迷い続けながらも、最後にささやかな光明を見出すヒロイン、チョン・ドヨンの存在感ある演技が秀逸。その彼女をずっと温かく見守り続けるソン・ガンホは相変わらずうまい。力作です。
13位 ぼくたちと駐在さんの700日戦争
マンガチックなドタバタ騒動に、ホロリとした感動ドラマを巧妙にブレンドした構成がうまい。一歩間違えればメロメロに成りかねない、ギリギリの所で成功に導いた演出に非凡なものを感じます。塚本連平監督の次回作に注目です。
14位 歩いても 歩いても
是枝裕和監督の成長ぶりが覗える、味わい深い秀作です。
15位 闇の子供たち
現代社会の、人間の闇を骨太に描き切った阪本順治監督の演出が光る力作。子供たちの自然な演技が素晴らしい。
16位 ミスト
さすがフランク・ダラボン監督、ホラーを撮らせても一級です。
17位 K-20 怪人二十面相・伝
年末ギリギリに飛び込んだ、思わぬ拾い物の冒険活劇エンタティンメントの快作。日本映画でもここまで出来るようになった事に、感慨深いものがあります。
18位 イースタン・プロミス (監督:デヴィッド・クローネンバーグ)
緊迫した、ヒリヒリする演出のテンションに圧倒されます。クローネンバーグ監督は着実に名匠の域に近づいていると思います。ヴィゴ・モーテンセンの体を張った演技も見どころ。
19位 告発のとき
イラク戦争告発映画がいくつか登場した年でしたが、これはその代表作。スリリングなミステリーとしても楽しめます。
20位 その日のまえに (監督:大林宣彦)
重松清の原作を大胆にアレンジ。過去の大林映画の断片に加え、宮沢賢治やくらむぼんまでぶち込んでコラージュした演出は評価の分かれる所ですが、メソメソ泣くよりも、爽やかな訣れにまとめた大林演出の姿勢は評価できます。何より、冒頭に登場する大林映画のトレードマーク“A MOVIE”が、この映画の方向性を示しています。ヒロインの最期のメッセージにはジンと来ました。ただし、夫を演じた南原清隆はやはりミスキャスト。妻を演じた永作博美が良かっただけに余計違和感が残りました。
…さて、以上がベスト20ですが、2008年は20本に収められないくらい秀作が目白押しでした。なのでもう10本、ベスト30まで紹介しておきます(タイトルのみ)。
21位 アキレスと亀
22位 ぐるりのこと。 (監督:橋口亮輔)
23位 この自由な世界で (監督:ケン・ローチ)
24位 クライマーズ・ハイ (監督:原田眞人)
25位 潜水服は蝶の夢を見る (監督:ジュリアン・シュナーベル)
26位 さよなら。いつかわかること
27位 ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!
28位 スカイ・クロラ
29位 勇者たちの戦場
30位 アクロス・ザ・ユニバース
・・・・・・・・・・・・・・
これでも網羅し切れないので、おマケとして、いわゆる秀作とは言えないけれど、腹を抱えて笑った、楽しいB級映画の快作=名付けて「愛すべきB級映画大賞」ベスト10の発表です。…本当はこちらが好みなのですが(笑)。
1位 ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン! ベストにも入れてますが、固い事はナシで…
2位 片腕マシンガール
3位 シューテム・アップ 「タマを撃ち尽くした」に笑った
4位 Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!
5位 ワイルド・バレット
6位 トロピック・サンダー 史上最低の作戦
7位 僕らのミライヘ逆回転 ホントはベストに入れたい秀作
8位 ミラクル7号
9位 ギララの逆襲/洞爺湖サミット危機一発 邦画がこれ1本なのが残念
10位 燃えよ!ピンポン
・・・・・・・・・・・・・
最後に、こちらは腹が立つ駄作群「ワーストテン」の発表です。
1位 少林少女 文句なし
2位 L change the WorLd
3位 252 ‐生存者あり‐
4位 D-WARS ディー・ウォーズ
5位 ICHI
6位 僕の彼女はサイボーグ
7位 まぼろしの邪馬台国
8位 ゲット・スマート
9位 紀元前1万年
10位 ウォーター・ホース
上位に日本映画が並びました。毎年のことですが。
てことで、今年もよろしくお願いいたします。 m(_ _)m
(参考) 日本インターネット映画大賞 日本映画
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コメント
明けましておめでとうございます!
自分が選んだ作品と被ると嬉しいものです。
ベスト20で比べたら6本入ってました~
とくに「ガチ・ボーイ」や「駐在さん」が嬉しかったり・・・(笑)
正月に時間が余れば「252」を観ようかと考えてましたけど、一気に覚めちゃいました。
素直に「ワールド・オブ・ライズ」を観てこよっと・・・
投稿: kossy | 2009年1月 3日 (土) 00:49
今年も読ませていただきますよ!
それにしても08年は「この作品がこんな下になっちまった!」って嬉しい悲鳴が出る程傑作だらけでした。あと日本映画は良作とダメ映画がはっきりしていますよね。少林少女は「秘宝」とか「文春」で負の栄誉を独占してほしいです(苦笑)
「母べえ」とか「実録・連合赤軍」なんかは、自分が生まれていない時代の話だったため、同時代を経験した両親(父が若松監督と同年齢で母が吉永小百合と同年齢)なんかと改めて会話が弾んだ作品でもありました。
あとトラックバックは先日コメントいただいた記事にアドレスを加えたのみなので、気にしないでくださいませ。
ではでは!
投稿: タニプロ | 2009年1月 3日 (土) 01:57
>kossyさん コメントありがとうございます。
私もkossyさんのベストテン拝見してて、「ガチ☆ボーイ」と「僕たちと駐在さんの700日戦争」がランクインしてたのに嬉しくなりました。やっぱり、分かる人には分かる(笑)。
「252」は、ツッコミどころをいくつ探せるか…という視点でならおススメです(笑)。
>タニプロさん
>08年は「この作品がこんな下になっちまった!」って嬉しい悲鳴が出る程傑作だらけでした。
同意ですね。私も26位までの作品、どれもベスト20に入れたくて悩みました。
今年もよろしくお願いいたします。
投稿: Kei(管理人) | 2009年1月 3日 (土) 21:08
あけましておめでとうごさいます。
2008年はほとんど映画館へ足を運ぶことができませんでした。予定していた観たい映画は250本ばかり・・・そのうち、88本。ベスト30を読ませていただくと、未見ばかり。2008年はいい秀作が揃った年だったのですね。うーん、残念!今年はもっともっと走って、年末にはベスト10、ワースト10を出したいと思ってます。
今年もよろしくお願いします。本当に勉強になり、そして楽しく読ませていただいています。
投稿: 冨田弘嗣 | 2009年1月 6日 (火) 23:16
毎年、ブロガーが選んだベスト10を勝手に集計して、どの映画が人気があるか調べてます。
1位はバレバレですけど、まぁなかなか興味深い結果になりました。
よろしければご覧下さ~い。
投稿: aq99 | 2009年1月 9日 (金) 22:29
TBありがとう。
>何度も原稿を書いては書き直し、しかしどうしても客観的にまとめられず、とうとう作品評を掲載しそびれました。
こういうことってありますよね。
僕にとっては、例えばゴダールの「アワーミュージック」(04年)。公開初日に見たのにね。何度か書きかけてはいるのですが・・・。
投稿: kimion20002000 | 2009年1月10日 (土) 22:54