« 「ジェネラル・ルージュの凱旋」 | トップページ | 「愛のむきだし」 »

2009年3月22日 (日)

テレビ「相棒 -シーズン7-」最終回

Aibou19 昨年の劇場版公開をきっかけに、テレビ版にすっかりハマッてしまった。

最新の、シーズン7も欠かさず観ていたし、昼間に再放送している旧作もビデオに録って追いかけているが、数が多過ぎて、まだ観ていない作品も多い。全部の観賞が終わるのはいつの事やら…

さて、シーズン7では、途中で、相棒の亀山(寺脇康文)が卒業、以後は杉下(水谷豊)が一人で事件を追うというパターンが最終回まで続いた。8年も続いたので、ここらでリニューアル…という事なのだろうか。

亀山がいなくなったエピソードでは、回によって1回限りの新相棒が登場したり、杉下一人の単独行動があったりと、いろいろ目先を変えていたが、改めて思うのは、亀山の存在がシリーズにおいて、かなり大きかったという点である。

前回、テレビシリーズについて書いた時(こちら参照)にも指摘したが、沈着冷静、クールな杉下に対して、ややオッチョコチョイ、ホットな熱血漢という亀山のキャラクターは、殺人があり、死体がころがる陰鬱なストーリー展開の中で、ユーモラスな色取りを添えて画面を明るくする功績があった。彼の妻(鈴木砂羽)との漫才のような掛け合いにも笑わせてもらった。
また飲み込みが遅い亀山に、杉下が簡潔に説明する事によって、視聴者に対する分かり易い解説・案内にもなっていた。

無論、脚本も演出もそれなりに工夫していたし、ゲストの相棒役にも亀山に似たキャラクターを与えてなんとかカバーはしていたが、長いシリーズの間に培われた、二人の間に醸し出される信頼関係、男の友情…といった要素が剥落していたのは如何ともし難かった。

そんな中、異色作は全編、ほとんど水谷豊と岸恵子の二人だけの芝居で見せた第15話「密愛」。

密室トリックも登場し、岸恵子との演技合戦もなかなか見応えがあって、好きな作品なのだが、ここまで来ると「相棒」と言うよりは、まるで別の作品、例えば「古畑任三郎」シリーズの1編を観ているようで、なんか違和感が残ってしまった。

 
さて、そんなシーズン7も最終回は2時間スペシャル版であり、また次回シーズンから参加する(多分)、新“相棒”、神戸尊(及川光博)が初お目見えした点でも見逃せない1編。

埼玉の山奥を舞台に、殺人を暗示する1枚の点描画をめぐり、杉下の推理が冴える。脚本はシリーズ生みの親、輿水泰弘に、演出も同じく和泉聖治と万全…のはずなのだが、いま一つ面白くなかった。

お話は悪くないのだが、2時間になった分、間延びした感じ。1時間でも十分なお話。

瞬間記憶する特殊な能力を持った少年が描いた絵がキーとなるのだが、いくら特殊能力とは言え、写真のように人物が判断出来たり、上り框の形状の違いまで見分けられたりするのはちょっと無理。そもそも“動物”だけに注意してて、そこまで描けるものだろうか。

それと、最終回という事でレギュラー・メンバーを登場させる必要からか、捜査1課の3人が特に用事もないのに現地までノコノコやって来るのにも無理がある。1課ってそんなにヒマじゃないでしょう。

肝心のミッチー扮する新相棒だが、キャラクター設定にちょっと違和感。

クールで、ダンディで、スマート…というんじゃ杉下のキャラとほとんど同じ。おまけに杉下曰く「端々に官僚臭さが漂う」イメージでは、ユーモラスな色取りにもなり難いし、そもそもコンビとしてやって行けるのだろうか。ちょっと不安である。

やや思慮に欠ける面もちょっとだがありそうなので、回を追うごとに、おトボケのユーモラスな味が出ればいいのだが。

だが、これも杉下曰く、「君は亀山君の代わりには、なれませんよ」。

そんなわけで、人間ドラマ部分は輿水脚本らしく、見応えはあったが、前述のような不満な点がいくつか感じられて、なにかスッキリしない最終回でありました。

 ランキングに投票ください → ブログランキング     にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

|

« 「ジェネラル・ルージュの凱旋」 | トップページ | 「愛のむきだし」 »

コメント

やっぱ、「特命係のかめやまァー!!」って喧嘩売りに入ってきたり。。が、最高に面白い!
岸恵子さん好きで、オチも含めとってもいい話でしたが、足りないんですよねェ。
亀山がいる設定だけでも十分楽しめるって、「鑑識米沢守の事件簿」観てそう思いました。奥さん役の記者とのエピソードもいいし。
及川クンは、映画の最後で新相棒決定の番宣?があるんですが、結構楽しめるキャラではあるんですが、亀山君ほど強烈でないし。。ゲスト出演でもいいから、何回かに一回でも、ときどき出てくる設定だと面白いと思うんですけど。。本人出なくてもいいから。。。

投稿: omiko | 2009年4月 2日 (木) 02:20

>omikoさん
>「特命係のかめやまァー!!」って喧嘩売りに入ってきたり。。

そうでした、伊丹との喧嘩腰のツッ込み合いは結構笑わせてもらいましたね。
喧嘩してても、実は心が通じ合っていたのかも知れません。亀山がいなくなって、伊丹も以前ほどの元気がないように見えるのは気のせいでしょうか。

ホント、時々はゲストで戻って来て欲しいですね。

投稿: Kei(管理人) | 2009年4月 6日 (月) 16:05

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: テレビ「相棒 -シーズン7-」最終回:

» 相棒 Season7 [Akira's VOICE]
最終回の感想  [続きを読む]

受信: 2009年3月23日 (月) 10:39

« 「ジェネラル・ルージュの凱旋」 | トップページ | 「愛のむきだし」 »