追悼その2 ボブ・ボーグル(ベンチャーズ)
マイケル・ジャクソンの死は残念だが、私にとってはむしろ、今月14日に亡くなった、エレクトリック・ギター・バンドの草分けであるベンチャーズのベーシストで、設立メンバーであるボブ・ボーグルの逝去の方がショックであった。
ベンチャーズは私の青春だったし、今も毎年日本にやって来る、現役のスーパー・ロック・グループである。彼の死を知ってしばらくは呆然としてしまった。
ボブ・ボーグルは、元々は建設作業員として働いていた。ある日、中古車セールスマンとして働いていたドン・ウィルソンと出会う。互いに音楽好きな二人は意気投合、最初は2人だけのデュエット・ギターバンドとしてスタートしたというのが面白い。
やがてベース、ドラムをメンバーとして追加、4人編成のバンドとして、デビュー作「ウォーク・ドント・ラン」が大ヒットする。当時はボブがリード・ギターだった。その後、ベース担当だったノーキー・エドワーズのギター・テクニックが見事だったので、彼をリード・ギターとし、ボブはベースを担当する事となる。
やがて日本でも「ダイヤモンド・ヘッド」、「パイプ・ライン」が大ヒットし、日本中がエレキ・ブームに突入して行った。
彼らもまた、ポップスの歴史を変えたスーパースターだったと言えよう。
以後、40年以上に亙って、毎年日本でコンサート・ツアーを行うのが恒例となった。無論、今年もやって来る。
私も、何回かコンサートを聴きに行った。
その後ボブは、ホジキンリンパ腫を発病、余命10年と診断され、12年間闘病生活を送った。痛みを押してその後も日本に来ていたが、さすがに病には勝てず、'04年のツアーからライブに不参加となった(代わりに、ボブ・スポルディングが参加)。ただ、スタジオ録音には参加してたらしい。
'96年には、ドラムのメル・テイラーが癌で亡くなり、息子のリオンが後を継いでいる。彼の死去もショックだったが、設立メンバーであり、初代リード・ギターのボブの死の方がショックは大きい。
ノーキー・エドワーズもメンバーを離れ、それでも時たまコンサートには参加するらしいが、これで正式レギュラーで設立時メンバーはドン・ウィルソンしかいなくなった。
あと何年、元気な姿が見られるか分からないが、身体の続く限り、日本にやって来て、素敵なテケテケ・サウンドを聴かせて欲しい。
ともかく、ボブ・ボーグルさん、長い間お疲れ様でした。あの世でメル・テイラーと、ベース・スティック奏法(アンコールの「キャラバン」にて、メルがスティックでボブのベース弦を叩く、コンサートお馴染みの光景)を久しぶりに再開して楽しんでください。 ―合掌―
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