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2010年6月12日 (土)

「座頭市 THE LAST」

Zatohichi 2010年・日本/フジTV=東宝
監督:阪本 順治
原作:子母澤 寛
脚本:山岸 きくみ 

勝新太郎の当り役であった“座頭市”の、“これが最後”とのふれ込みによる映画化。

…であるのだが、主演がSMAPの香取慎吾なのにはガックリだ。あの天才、勝新太郎が心血を注いで自らのライフワークとした、稀代のヒーローを演じるには、経験も貫禄も不足している。最低でも、ある程度時代劇映画に出演して、殺陣の基礎が出来ている役者でなければ。
監督が贔屓の阪本順治でなかったら、多分観なかっただろう。阪本監督なら、人気タレントに頼った安直な企画でも、なんとかしてくれると淡い期待を抱いたのだが…。

香取慎吾は、思ったほど悪くはない。よく頑張ってるとは思う。貫禄不足であっても、映画として面白く作られておれば評価するのにやぶさかではない。

だが、映画の出来はなんともお粗末だった。ガックリどころではない。今年のワースト候補である。阪本順治作品としても最低の出来だ。

酷い出来となった要因はいくつかあるが、一番酷いのは脚本である。酷すぎる。書いたのは山岸きくみ。聞いた事がない。調べたら、映画のシナリオはこれまで「カタクリ家の幸福」(2001)1本だけだという。三池崇史監督のケレン味のある演出以外に見どころのない凡作だった。
ほとんど実績もなく、ましてや時代劇の脚本など書いた事もない新人に依頼するなんて、製作者は映画をナメてるとしか思えない。

 
さて、脚本のどこが悪いかと言えば、“中途半端”……この一言に尽きるだろう。あらゆる展開において中途半端である。

(以下、ネタバレあり)
まず、市の行動心理が中途半端。最愛の妻を失い、身も心も疲れ果て、故郷の村に舞い戻って、旧友の柳司(反町隆史)の元に身を寄せ、どうやらもう刀は捨てて堅気の生活を始める…のかと思ったら、さして心の葛藤もなく、あっさりと博打場に顔を出したり、刀を振り回したりの豹変ぶり。何を考えてるのかさっぱり分からない。
舞台となる場所がこれまた中途半端。最初は田植えを手伝ってるから農村だと思ってたら、いつの間にか舞台が漁村になって、柳司たちは魚を獲っている。台詞の中にも“百姓ども”とかの言葉が出てくるのだが、百姓は魚を獲らない、それなら“漁師”と呼ぶべきだ。悪役の天道一家が港を作ろうとして、漁師たちに立ち退きを求める、という展開にするのであれば、舞台は漁村だけに絞るべきだろう。

市の妻、タネ(石原さとみ)の命を奪った虎治(高岡蒼甫)のキャラクターがまた、どうしようもない中途半端。最初の登場で「市を斬れば名が上がる」とそそのかされて、市に突進し、誤ってタネを刺してしまうのだが、てっきり功名にはやるチンピラだとばかり思ってたら、なんと天道の息子だという。それならほっといても二代目を次いで親分になれるだろう。なんで、まかり間違えれば市に斬られるリスクを犯そうとするのか意味不明。
その虎治が、日頃は花の絵ばかり描いている、という人物描写も中途半端。それならヤクザの親元に居候などせずに、どこか静かな土地に移ればいいだろうに。ところが冒頭では刀を握って市を斬ろうとするし、ラストでは不思議なことに[拳銃]を握ってる。いったいそれはどこで手に入れたのか、何で絵描きが持ってるのか。その伏線もなく、唐突この上ない。そもそもこの男は、絵描きになりたいのか、ヤクザになりたいのか、どっちなのだ。

市にニセの嘆願状を託し、囮に使おうとする柳司の行動も中途半端。自分が嘆願状を届けようとするのはいいが、天道に市が右の道(行き止まり)を行ったと情報を流すのは逆効果。右が行き止まりというのは土地の人間なら知ってるわけだから、案の定それが囮とすぐに見破られてしまう。黙ってこっそり行く方がマシだった。
しかも、代官所に向かうのかと思ってたら、役人の方が村にやって来る。この後のグダグダ展開は書くのもイヤになる。
さらに、行き止まりだという右の道を行った市が、追って来たヤクザと斬りあっていたら、いつの間にか左の道に出て来て役人や柳司と鉢合わせしたのにはズッこけた。いったい地理関係はどうなってるのだろう。ワープしたのだろうか(笑)。

出てくるその他の脇の人物も、中途半端なのが多い。その際たるものが、中村勘三郎扮する賭場の中盆。えらく貫禄があるし、市に言葉をかけるので、てっきりもう一度終盤に出て来て見せ場を作るのかと思ったら、なんと出番はそれっきり。名優を、なんというもったいない使い方をするのか。
原田芳雄扮する医者らしき男も大して意味のある役ではない。この二人、まるまる出番をカットしても全然影響ないだろう。

 
そもそも、脚本家は「座頭市」という作品や、その人物像をどれだけ研究したのだろうか。何本かでもシリーズ作品を観ていたら、こんなヘンテコなストーリーにはならないはずだ。
冒頭で、市はヤクザたちに追われている。「市を斬れば名が上がる」とも言われている。つまりは市は、裏社会では名が知れた凶状持ちである。この設定は、カツシン版にも確かに出て来る。
それなら、ヤクザで賭場も開いている天道一家が、座頭市を知らないはずがない。顔を知らなくても、異様な雰囲気の按摩がどこからともなく流れ着いたのなら、座頭市ではないかと疑うのが普通だろう。ところが天道親分(仲代達矢)は市を呼び止め、肩を揉ませる無防備ぶりで、子分も誰も疑わない。ノンキ過ぎるのではないか。ましてや市を知る虎治もいる事だし。

カツシンが演じた座頭市は、メクラというハンディを乗り越え、目にも留まらない剣さばきで向かうをなぎ倒し、何十人が束になっても敵わない、化け物のような異形のスーパー・ヒーローである。とにかく強過ぎるのである。

敵が、あらゆる作戦を練ろうと、どんな卑怯な手を使おうと、罠を仕掛けようと、まるで歯がたたない。何人立ち向かおうと、次々切り倒し、市の方はほとんど傷を負う事もない(市が手傷を負ったのは、殺した男の妹に、手向かわずに斬られた「座頭市海を渡る」、三船敏郎の用心棒と対決した「座頭市と用心棒」他、強敵と闘った数作だけである)。そんな、天下無敵の超人ぶりに、観客は喝采を送ったのである。

本作の市は、そんな強さが感じられない。冒頭でも、ラストでも、強いとも思えないヤクザと斬り合っただけでかなり深い手傷を負っている。

おまけに、あっさり頭を殴られたり、ラストでは近寄ったチンピラに気付かず、刺されている。そんな事は、少なくともカツシン版では絶対にあり得ない。
というのは、市は(視覚以外の)五感が異様に研ぎ澄まされ、反射神経が並外れているからである。殴りかかられても、ヒョイとかわすだろうし、ましてや近寄る相手に気付かないはずがない。現に、1作目の「座頭市物語」では、やはりラストで、刀を捨てた市に近付いたヤクザをあっさりかわし、川に叩き込んでいる。

まあ、監督としては、人間的な弱さを持つ側面も描きたかったのかも知れないが、それなら“座頭市”でなく、オリジナル・キャラクターにすべきだろう。

そもそも、純陽性チャンバラ大活劇(であったはず)に、インディーズ出身で、社会派の問題作を多く手掛けて来た阪本順治を監督に起用したのが間違いである。起用するなら、チャンバラ映画やB級活劇をこなして来た、職人監督にまかせるべきであった。

どうも最近、力量はあるが、それまで時代劇を撮った事のない、どちらかと言えばアート系、又は社会派に近い監督に時代劇を撮らせ、ことごとく失敗するケースが多いように思う。「椿三十郎」の森田芳光、「カムイ外伝」の崔洋一、そして本作の阪本順治である。
3人とも、キネ旬でベストワンを獲得した事がある。順に「家族ゲーム」「月はどっちに出ている」「顔」が対象作品。いずれも社会情勢を見据えた問題作で、チャンバラ映画を撮るタイプの監督ではない。そう言えば昔、大島渚監督に大川橋蔵主演の「天草四郎時貞」を監督させ、ものの見事に大失敗した事もあった。

パーツとしては、いくつか印象的なシーンもある。冒頭の竹林の決闘シーンはシャープだし、桜吹雪の下をタネと歩くシーン、倍賞千恵子扮する老婆ミツと市との雪道での別れのシーンも絵になっている。
しかし、パーツは良くても、全体の構成が歪でガタピシなのでは話にならない。映画としては欠陥品である。

 
だが私は、香取慎吾も、荷が重過ぎた山岸きくみも、阪本順治監督も、責める気はない。すべての責任は、元々適任でない人材を起用したプロデューサーにある。誰かと見れば「少林少女」「アマルフィ」の亀山千広(昨年度の「映画秘宝」はくさい映画賞で見事特別功労賞を受賞)、それに「スノープリンス 禁じられた恋のメロディ」(こちらは、はくさい映画賞の最低作品賞受賞)の椎井友紀子であった。ワーストになる予兆はあったわけである。まもなく再開される、「映画秘宝」連載「日本映画縛り首」でもまず間違いなく槍玉に挙げられるだろう。
それにしても、亀山氏はともかく、阪本監督と組んで数々の秀作を送り出して来た椎井プロデューサーの最近の体たらくはどうした事か。期待しているからこそ採点も辛くなる。猛反省を促したい。     (採点=

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(6/23 付記)
6月21日発売の「映画秘宝」最新号を見たら、上記に書いた「日本映画縛り首」のリニューアル新連載が開始されていた。タイトルは「日本映画仕分け人」(笑)。ワースト映画も仕分けの対象か(笑)。メイン仕分け人はガースこと柳下毅一郎氏が前シリーズに引き続いての続投。ご苦労さまです。

で、栄えある第1回のトップバッターが、私の予想が見事に当って「座頭市 THE LAST」。見事にぶった斬ってくれてます。脚本についても「何を考えたらこんな脚本を書けるのか聞いてみたい」とバッサリ。まったく同感なのですが、ここまでケチョンケチョンにケナされると、逆に同情したくなります。まあ本年度のワーストテン入りは確定でしょう。

悪をバッサバッサと斬りまくるのが、座頭市映画の面白さだったわけですが、必殺仕分け人・ガース氏にアベコベにバッサリと一刀両断されてしまったのではシャレにもなんないですねぇ(笑)。

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コメント

こども店長もなんで出ていたのかよくわかりませんでした。

あと、最初のほうの仲代さんの台詞に「キャビア」って言葉が確かあって?と思いました。

「キャビアって言葉があった時代の話かね?これ」と思いました。

投稿: タニプロ | 2010年6月13日 (日) 02:17

◆タニプロさん
私は、天道が広げた地図にあった「満州」に反応してしまいました(笑)。
 
ところで、キャビアの歴史はかなり古く、16世紀にはヨーロッパで貴族の間で食されていたそうです。
ロシアと密貿易してるらしい天道なら、入手出来ても不思議はないでしょうね。
でも、そんな余計なグルメネタ入れるより、もっと脚本に知恵を絞ってくれよと言いたいですね(笑)。

投稿: Kei(管理人) | 2010年6月14日 (月) 02:53

試写会でイオンシネマ三川に阪本監督が挨拶にみられ、
帰り際がっちり握手をしましたよ!貴重な体験です♪
別日は香取慎吾と監督が来ましたがローカルな土地でも
速効でチケットは売切れでしたね。
「花のあと」に続き、本作は庄内映画村オープンセットを
中心に鶴岡市で撮影されました。
「ICHI」「山形スクリーム」「スノープリンス」もこちらで
撮影されたのですが、同様に辛口評価ですね。。

投稿: ぱたた | 2010年6月15日 (火) 15:42

◆ぱたたさん
そうですか、これも山形ロケですか。この所、庄内映画村利用の作品が多いですね。

決して庄内で撮影した作品を目の仇にしてるわけではありません(笑)。
庄内ものと言えば、「たそがれ清兵衛」、「おくりびと」と映画史に残る大傑作がありますし、藤沢周平原作の「蝉しぐれ」、「山桜」、「花のあと」はいずれも好きな作品で、好意的評価をしてますよ。

言える事は、作家が真摯な姿勢で取り組んだ作品は秀作になるし、安易に人気タレントや子供や犬やらに頼った、心のこもっていないイージーな企画は、やはりつまらない出来にしかならない、という点に尽きるのではないでしょうか。

投稿: Kei(管理人) | 2010年6月18日 (金) 23:48

昔からの「座頭市」ファンの「オジサン」です。
つい先日『座頭市 THE LAST』のDVDをレンタルし、あまりの「つまらなさ」に途中棄権・・・。
『320円のレンタル料金、損したなあ・・・f(^^;』と嘆きながら、一体巷の評判は、どうなってるんだろうと思い、ここに辿り着きました・・・。
先に、ここを読んでおけば、レンタルしなかったのになあ・・・。
あ~あ、ガッカリ・・・。

投稿: しゅう | 2011年8月25日 (木) 11:50

◆しゅうさん、ようこそ。

>昔からの「座頭市」ファン…
あ、そりゃーガッカリしますよね。「座頭市」愛が足りないのはファンなら誰もが感じる所ですが、それ以前に、映画としてもヒドい出来でしたね。
しかしDVDレンタルで320円損しただけならまだマシです。劇場で1,800円(サービスデーでも1,000円)払った人はもっと大損でしたよ(笑)。

これからも当ブログご贔屓に。今後のお役に立てれば幸いです。

投稿: Kei(管理人) | 2011年8月28日 (日) 17:50

『山岸きくみ』なる脚本家の作品はかなりヒドイ!
最新作『一命』も駄作。脈絡ないパクリの連続でした。
本人がTOKYOFMや東急Aでアルバイトをしていた頃を知っている先輩は「上昇志向が強い田舎者で脚本家としての才能や資質はまったくない…三池崇史監督の愛人かも」と笑っていました。
そう言えばシナリオ2010.7月号にインタビューが掲載されていたけど、[豪華な幕の内弁当]なんてバカなことをナンセンスなメガネをかけながら語っていた。
こんな脚本家は日本映画界から抹殺して欲しいものです。

投稿: ユウジ | 2011年10月10日 (月) 14:17

知り合いから聞いたんですが、この脚本家って旦那さんがプロデューサーって本当でしょうかね。

投稿: タニプロ | 2011年10月10日 (月) 21:11

 脚本家・山岸きくみの旦那は電通腰巾着プロデューサー中沢(セディックインターナショナル社長)で、この映画のプロデューサーです。
 本人も同社の取締役です。
 中沢にしてみれば本人の福井で建設業を営む実家からの多額の融資があり、本心は渋々の起用なのかもしれません。
 でも本当のプロデューサーなら、そんな妻は起用しないはずです。
 本人もそれまでにして脚本を書きたいのでしょうか?
 まあ似た者犬夫婦なのでしょう。
 日本映画の製作事情なんてこのレベルなのかもしれませんね。
 ユウジさん、心配しないでも、いずれ山岸きくみも中沢も抹殺されると思いますよ。
 

投稿: HAKUHODO | 2011年10月15日 (土) 01:18

◆ユウジさん
コメントありがとうございます。
「一命」まだ見ていませんが、脚本:山岸きくみ と聞いただけで期待度がガクッと下がりました(笑)。まあ三池監督の事だから「座頭市」ほど酷くはならないでしょうが。

◆タニプロさん、HAKUHODOさん
情報ありがとうございます。

なるほど、セディックの中沢社長が旦那でしたか。
セディック・インターナショナル制作作品を探してみると、
「カンフーくん」「ICHI」「山形スクリーム」「スノープリンス 禁じられた恋のメロディ」「SPACE BATTLESHIP ヤマト」「セカンドバージン」…
と、ワースト作品ぞろいですね(笑)。

「カンフーくん」は、原案:山岸きくみとクレジットにあります。よくまああそこまでしょーもない話を映画にしたもんだとあきれましたが、なるほど、そういう繋がりでしたか。納得(笑)。

セディックは、「おくりびと」「十三人の刺客」など、ごくタマに傑作も制作しているのですが、ヘタな鉄砲も数撃ちゃ当る(笑)、駄作率が高過ぎます(笑)。もっと作品を吟味していただきたいものです。

それにしてもHAKUHODOさん、お詳しいですね。もしかして業界の方?

投稿: Kei(管理人) | 2011年10月17日 (月) 01:44

 業界の関係者の関係者で主にレコード会社などへの印刷営業の仕事です。
 仕事柄、かなりのネットワークがあり、映画界事情通の知人から聞いた話です。
 映画大好きおじさんです。またなにか賛同できるコメントがあれば書込みます。

投稿: HAKUHODO | 2011年10月17日 (月) 23:03

座頭市の生みの親、故犬塚稔氏が勝新太郎に頼まれて書いた最後の座頭市の脚本が『映画は陽炎の如く』に掲載されているのに、誰も映画にしないのがモッタイナイですね。金欠の勝新が映画に出来ず、犬塚稔氏も勝新に脚本料を踏み倒されて、それでも座頭市の映画にしたかったと嘆いていた犬塚稔氏がかわいそうです。座頭市のまともな脚本は、犬塚稔氏が書かれたものしかないと思います。

投稿: tama | 2011年12月 9日 (金) 22:14

◆tamaさん ようこそ

>勝新太郎に頼まれて書いた最後の座頭市の脚本が『映画は陽炎の如く』に掲載されているのに、誰も映画にしないのがモッタイナイですね。

確かにもったいないですね。
犬塚氏は、カツシン座頭市の魅力を知り尽くしているだけに、これをカツシンが演じれば絶対面白い作品になったでしょうね。誰かスポンサーを見つけてでも映画化して欲しかったと思います。
tamaさんも同じ思いかも知れませんが、カツシン以外に、座頭市を演じられる役者はいないし、これからも出て来ないでしょう。たけし版は、別物だと思った方がいいと思います。
犬塚氏の、最後の座頭市シナリオは、読者がカツシンをイメージして、頭の中で画を思い浮かべて読むのが正しい読み方ではないでしょうか。

投稿: Kei(管理人) | 2011年12月15日 (木) 23:40

見た事はありません。
しかし知ったので検索かけまくって御覧になった皆さんの山程の記事から本作のプロットを把握しました。
そして種々な場所で語られる皆さんのお話からみて
少なくともプロット以前の段階(企画辺り迄)で芝居の流れ的に「市の盲目」がドラマ進行の必然として存在して居無い事が理解出来ました。
其の当然の帰結として彼のハンデがカタルシスに直接関わる機会が全く無い事も容易に理解出来ました。
(明解に云えば「市が主人公である必要」の無いドラマな訳です)
賑やかしの痴話々は恐らく其の為のフォローでしょう。
役者云々以前の問題として気付いた次第です。
原因が斯う云う事であれば、恐らく怪優中代に演じさせたとしても、潮来に勝新を下ろさせたとしても、皆さんの印象は同じだったと理解しました。
失敗作品はドラマの理解に於て一面(反面)重要な糧です。
実際御覧になった皆さんの印象として如何でしょう。

投稿: | 2014年5月14日 (水) 02:25

◆--さん
まず、名前は必ず書いてくださいね。返事しようがありません。
次に、映画をご覧になってないのもどうでしょうか。作品について語る場合には、ご自身の目でご覧になった上で、良かったかどうかを判断すべきです。DVDはレンタルでいつでも見られるはずですし。

その上でお返事いたしますと、本文にも書きましたが、「座頭市」の面白さは、盲目というハンデを背負った按摩が、実は健常な人間よりもケタ外れに強い、という“意外性”にあると思います。そしてカツシンのオリジナルでは、毎回曲芸まがいの荒唐無稽アクロバット・テクニックを披露してくれてて、いつも「そんなアホな…」とツッ込みを入れながら楽しんでました。本作にはそんな面白さは微塵もなく、単にヤクザの若者が足を洗おうとして苦悩する、おっしゃる通り「主人公が市である必要」などまったくないお話でした。
まあ、この映画については、もう忘れたいですから、思いだささないでくださいな(笑)。

投稿: Kei(管理人) | 2014年6月16日 (月) 01:00

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