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2015年3月12日 (木)

「シャークトパスVSプテラクーダ」

Sharktopasvspteracuda2014年・アメリカ/ニュー・ホライゾン・ピクチャー=エメラルド・シティ・ピクチャーズ
配給:インターフィルム
原題:Sharktopus vs. Pteracuda
監督:ケビン・オニール
脚本:マット・ヤマシタ
撮影:エルナン・エレーラ
製作:ロジャー・コーマン、ジュリー・コーマン

2010年にアメリカのSyfyチャンネルで放送され、異例のヒットとなったテレビ映画「シャークトパス」のシリーズ第2弾で、人喰いザメと巨大タコが合体した「シャークトパス」と、今回新たに登場する合体怪獣「プテラクーダ」との死闘を描いたモンスターパニック・アクション。製作は前作と同じくB級映画の帝王ロジャー・コーマン。監督はやはりコーマン製作「アタック・オブ・ザ・50フィート・チアリーダー」のケヴィン・オニール。主演は「ジャンゴ 繋がれざる者」のロバート・キャラダインほか。「未体験ゾーンの映画たち 2015」上映作品の1本。

数年前、突如現れ大勢の人を殺戮したモンスター“シャークトパス”の恐怖が過ぎ去ってから数年後。アメリカ軍が秘密裡に開発した軍事用合体生物兵器“プテラクーダ”が突如として制御を失い、人間たちを襲い始めた。一方、海洋学者ロレーナ( ケイティ・サヴォイ)は死滅したはずのシャークトパスの卵を発見し秘密裏に飼育していたが、その存在が明るみに出たことから、国防総省はプテラクーダの刺客として、シャークトパスに白羽の矢を立てる。そして遂に、想像を絶する史上最狂のモンスター決戦の火蓋が切って落とされた!

昨年も楽しませてくれた「未体験ゾーンの映画たち」に、またもやあのロジャー・コーマン製作の新作が登場。伝説のB級映画プロデューサーとして、これまでいろんなゲテモノ怪獣・モンスター映画を作ってきたコーマンだが、21世紀になっても相変わらず低予算、B級(C級?)モンスター映画を作り続けている。こんなに変わらない人も珍しい。もうそれだけで敬服・脱帽だ。

Sharktopas_2
昨年の「アタック・オブ・ザ・50フィート・チアリーダー」にも大笑いさせていただいたが、今回は2010年に有料チャンネルでテレビ放映され、B級映画では視聴件数が異例の250万ヒットとなった「シャークトパス」の続編。当たればすぐに続編を作る姿勢も相変わらずだ(笑)。

Sharktopus“シャークトパス”は、人喰いザメと巨大ダコを、米軍が究極の遺伝子工学を駆使して産み出した軍事用合体生物兵器である。上半身サメに、下半身がタコの足という姿がなんともマヌケだが、凶暴さはジョーズ以上。

前作では、最後に爆死して終わったようだが(本作冒頭に短く描かれる)、実は卵を胎内に持っていて、その卵から生まれた子供のシャークトパスを海洋学者のロレーナが海で見つけ、飼育しているうちにどんどん大きくなり、それを知ったロレーナの父が水族館の見世物にする事を考えたからややこしくなる。

Barracuda一方、アメリカ国防省では、懲りもせず今回はプテラノドン(翼竜)とバラクーダ(オニカマス・)を掛けあわせたプテラクーダを遺伝子工学で作り出し、最初は軍のコントロール下にあったが、やはり今回もある妨害工作によって制御を失い、暴走して次々人間を襲い出す。そんでもってシャークトパスの2匹目がいる事を知った国防省の科学者シムズ博士(ロバート・キャラダイン)が、シャークトパスとプテラクーダとを戦わせる事を思いつき、で凶暴性に目覚めたシャークトパスも人間を襲いだして収拾がつかなくなる…と予想通りの展開。

まあそんなストーリーなどあってなきが如く、ひたすら人間をパックリ食べる凶暴な怪物同士のバトルを楽しむだけのお気楽なB級ピクチャーである。

いきなり人間の首をパクッと食い、血がブシャーっと噴き出すスプラッター描写もあるが、「ピラニア3D」なんかに比べたらグロ度や下品度はおとなし目、「アタック・オブ-」のような裸のねーちゃんも出て来ないのでやや肩すかしだが、これは多分前作同様のテレビ放映も考慮しての事なのかも知れない。

ツッコミどころは満載で、古代恐竜のプテラノドンがどうやって現代に登場したのかの説明は一切なし(ジュラシック・パークから連れてきたのか?)、魚?のバラクーダと遺伝子配合する意味も不明、しかも空を飛べるだけでなく、海に潜って高速で潜水航行出来るって…あの翼が邪魔でそんなに早く泳げないだろう。
CGも、低予算のわりには頑張っているが、やはりチープでショボい。ハリウッド超大作とは比べるべくもない。

けれど、こうした低予算B級ピクチャーは、ツッコむのも楽しみの一部と考えた方がいい。仲間同士で、あれこれ笑ってツッコみ合うのもこうした映画の楽しみ方の一つである。

何より、ロジャー・コーマンが今も現役で頑張って、とにかく観客を楽しませようとする、そのサービス精神に敬意を表したい。前作がテレビで大ヒットした事からも、こうしたB級精神溢れる娯楽作品を楽しんでいる人は結構いるのだろう。
そんな観客がいる限り、ロジャー・コーマンはまだまだこれからも映画を作り続けるに違いない。いつまでもお元気で、とエールを送っておこう。    (採点=★★★☆

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(さて、お楽しみはココからだ)

プテラクーダの元の姿の片割れは翼竜プテラノドンなのだが、プテラノドンと聞いて怪獣映画ファンならすぐに思い出すのが、わが円谷英二特撮+本多猪四郎監督の「空の大怪獣ラドン」である。プテラノドンが変異した怪獣ラドンの名前はプテドンの一部を拝借したものである。

そう考えれば、本作には日本製特撮怪獣映画へのオマージュもいくつか散見される。

プテラクーダの姿態は、大映特撮「ガメラ」に登場するギャオスとも全体の造りや飛行姿勢がよく似ている。

シャークトパスの片割れ、タコも円谷+本多特撮映画にはしばしば登場する。

「キングコング対ゴジラ」ではキングコングが巨大タコと闘ったし、「フランケンシュタイン対地底怪獣バラゴン」、その姉妹編「フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ」にもそれぞれ巨大タコが登場している。

何より、「○○VS××」という、2匹の怪獣名を対置させるタイトルからして、東宝特撮の、VSもののタイトルを連想させる。

ついでに、プテラクーダのもう一方の片割れバラクーダという名前を聞いて、これもファンならやはり円谷+本多特撮「大怪獣バラン」をつい思い出してしまう。

バランの元の名前は、古代怪獣バラノボーダなのである。バラーダと、語呂が似ているし、この魚を片割れにしたのは、海外でも人気があるこの怪獣を意識しての事ではないだろうか。バラノボーダは架空の生き物なので、実在する生物の中でよく似た名前のバラクーダを採用したのかも知れない。

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コメント

いやあ、バラクーダで思いだすのは「日本全国酒飲み音頭」ですよ。ロジャー・コーマン先生もカラオケで歌うのかもしれない。

投稿: ふじき78 | 2015年12月 6日 (日) 00:18

◆ふじき78さん
私は「バラクーダ」で思い出すのは、宮崎アニメ「未来少年コナン」でダイス船長が操る運搬船「バラクーダ号」ですね。
やはり宮崎駿作品「天空の城ラピュタ」へのオマージュっぽい庵野秀明監督「不思議の海のナディア」にもアメリカ海軍戦艦バラクーダ号が登場します。バラクーダはでっかい魚ですので、大きな船につける名前としては最適かも。
で、「酒飲み音頭」を歌ってるのがバラクーダですって?
どういう由来でグループ名がつけられたんでしょうか。メンバーに宮崎駿ファンでもいるのでしょうか(笑)。

投稿: Kei(管理人) | 2015年12月18日 (金) 00:28

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どちらも未体験ゾーンの映画たち2015の作品。 感想書かない間にほぼ1年経ってもた。記憶を搾り出してみよう。 ◆『シャークトパスVSプテラクーダ』 五つ星評価で【★ちんたら】 ... [続きを読む]

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