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2021年2月28日 (日)

小説「奈落で踊れ」

Narakudeodore   月村 了衛・著

  朝日新聞出版・刊

  初版発行日: 2020年6月5日

  1,900円+税  単行本: 384ページ


 いま一つ記事にしたい映画がないので、昨年読んだこの小説の感想を。

私がお気に入りの、月村了衛さんの新作です。

月村さんの作品は、デビュー当時の「機龍警察」シリーズは、戦闘メカが登場する近未来SFバイオレンス小説でしたが、最近では前回も紹介した「東京輪舞(ロンド)」以降、1964年の東京オリンピック記録映画の監督選定騒動を描く「悪の五輪」、社長がマスコミの前で惨殺された有名な“豊田商事”事件をモデルにした「欺す衆生」(2019)と、昭和の時代に実際に起きた事件を題材にした、一種の昭和史セミドキュメント小説が多くなってきました。史実と虚構を取り混ぜ、また政治家や著名人の実名も登場するなど、実際の事件を知っていればなお面白く読めます。

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2021年2月23日 (火)

「藁にもすがる獣たち」

Beasts-clawing-at-straws 2020年・韓国   109分
製作:B.A. Entertainment
配給:クロックワークス
原題:Beasts Clawing at Straws
監督:キム・ヨンフン
原作:曽根圭介
脚本:キム・ヨンフン
撮影:キム・テソン
製作:チャン・ウォンソク

曽根圭介の同名小説を韓国において映画化したクライム・サスペンス。脚本・監督はこれが長編デビュー作となる新鋭キム・ヨンフン。出演は「シークレット・サンシャイン」のチョン・ドヨン、「アシュラ」のチョン・ウソン、「スウィンダラーズ」のペ・ソンウ、「哀しき獣」のチョン・マンシク、「コンフィデンシャル 共助」のシン・ヒョンビン、「チャンシルさんには福が多いね」のベテラン、ユン・ヨジョンなど韓国を代表する名優たちが結集している。本国では興行収入ランキングで初登場1位を記録。

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2021年2月14日 (日)

「すばらしき世界」

Subarashikisekai 2021年・日本   126分
製作:バンダイナムコ=AOI Pro.=分福、他
配給:ワーナー・ブラザース映画
監督:西川美和
原案:佐木隆三 (「身分帳」)
脚本:西川美和
撮影:笠松則通
エグゼクティブプロデューサー:濱田健二、小竹里美
プロデューサー:西川朝子、 伊藤太一、 北原栄治

直木賞作家・佐木隆三の、実在の人物をモデルとした小説「身分帳」を原案に、刑期を終えて出所した男の生きざまを描いた人間ドラマ。監督は「永い言い訳」の西川美和。主演は「孤狼の血」の役所広司、共演は「静かな雨」の仲野太賀、「MOTHER マザー」の長澤まさみ、「家族はつらいよ」シリーズの橋爪功、「罪の声」の梶芽衣子など。第56回シカゴ国際映画祭インターナショナルコンペティション部門にて役所広司が最優秀演技賞を受賞。

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2021年2月 7日 (日)

「ヤクザと家族 The Family」

Yakuzatokazoku 2021年・日本   136分
製作:スターサンズ
配給:スターサンズ= KADOKAWA
監督:藤井道人
脚本:藤井道人
企画・製作:河村光庸
エグゼクティブプロデューサー:河村光庸
プロデューサー:佐藤順子、角田道明、岡本圭三
撮影:今村圭佑

時代の移り変わりと共に、社会から排除されて行くヤクザと、“家族”との繋がりを軸に描いた問題作。監督は「新聞記者」「宇宙でいちばんあかるい屋根」の藤井道人。主演は「日本で一番悪い奴ら」の綾野剛、共演は「終わった人」の舘ひろし、「ナミヤ雑貨店の奇蹟」の尾野真千子、「本気のしるし 劇場版」の北村有起哉、「幼な子われらに生まれ」の寺島しのぶ等。

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