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2023年1月 2日 (月)

2022年度・ベスト20 ワースト10発表

 あけまして おめでとうございます。

 本年もよろしくお願いいたします。 

 

さて、私の昨年度ベスト20を発表いたします。例年通り、HPに掲載しているのと同じ要領で、邦・洋混成のベスト20です。

 

1位 ケイコ 目を澄ませて
Keikomewosumasete  年末ギリギリになって、素晴らしい作品に出会う事が出来ました。聴覚障害者でプロボクサーの女性の日常と練習ぶりを、ほとんど説明描写を排し、音楽もなく現実音だけで描く三宅唱監督のタイトかつ緊迫感溢れる演出が見事。実話という事もありますが、まるで元となった原作者のドキュメンタリーを観ているかのようでした。障害があろうとも、過酷な戦いにチャレンジし、迷い、悩みながらも前を向いて生きるケイコの姿に泣けました。岸井ゆきの、三浦友和の演技も素晴らしい。文句なしの傑作です。

2位 水俣曼荼羅
Minamatamandara   2021年度の作品ですが、当地では公開が2022年になったので本年度のベスト20に入れさせていただきます。上映時間が6時間に及ぶ長い作品ですが、原一男監督の全身全霊を賭けた渾身のドキュメンタリーに圧倒されました。これだけ長いのに間延びする所なく、半世紀に及ぶ水俣闘争の歴史を縦軸に、多彩な人物を横軸としてさまざまな角度から記録映像を積み重ね、全体としてまさに曼荼羅のようにそれらを撚り合わせた見事な作品になっています。11月までは絶対にベストワン確定と思っていたのですが、「ケイコ-」に抜かれてしまいました。気分的には2作同点ベストワンにしたいです。

3位 エルヴィス
Elvis  悪徳マネージャーと言われたトム・パーカー大佐の視点から不世出のロック・シンガー、エルヴィスの生涯を描くという構成がユニークですね。私も知らなかったエルヴィスの実像に迫った音楽伝記映画の秀作です。エルヴィスを演じたオースティン・バトラーの演技もいいですね。

4位 線は、僕を描く
 昔から応援していた小泉徳宏監督、「ちはやふる」も良かったですがさらに素晴らしい秀作になっています。全体を貫く、喪失から再生のテーマがきちんと描かれ、青春ドラマとしても人間ドラマとしてもよく出来ています。三浦友和や江口洋介の水墨画パフォーマンスには圧倒されましたね。

5位 クライ・マッチョ
 90歳を超えても、まだこんな力作を完成させてしまうクリント・イーストウッド、凄い。尊敬に値します。飄々としたトボけた味わいの中に、少年に本当の“マッチョ”(男らしさ、タフさ)とは何かを教え、さらに人生の重み、老いをどう楽しむかというテーマまで盛り込んだ、イーストウッド
でなければ作れない作品だと思います。カウボーイ・ハットを被った彼の姿を見るだけでも泣けます。

6位 RRR
 これぞまさにインド映画。ダイナミックな踊りあり、パワフルかつ優雅なアクションあり、勧善懲悪王道エンタティンメントとしても見事な出来栄えですが、圧倒的軍事力で弱小国を植民地化して来た大国の横暴に鋭い批判の目を向けた、今の時代にふさわしいテーマも込められた力作だと思います。

7位 パワー・オブ・ザ・ドッグ
 これも前年度の作品ですが、Netflix配信作品として一部でしか公開されず、やっと昨年春に劇場で観る事が出来たので本年度ベストに入れる事にします。西部劇的なスタイルの中に、人間というもののおぞましさ、人間の心の闇という根源的テーマに鋭く斬り込んだ、「ピアノ・レッスン」以来久しぶりのジェーン・カンピオン監督の秀作です。

8位 流浪の月
 李相日監督は相変わらず骨太、重厚な演出で魅せてくれます。そして「悪人」以降の作品に通底する、“正義とは、悪とは何か”というテーマも盛り込まれた、人間考察ドラマとしても見ごたえある力作になっています。松坂桃李、広瀬すずも熱演。

9位 ある男
 石川慶監督は一作ごとに演出力がレベルアップしていますね。向井康介の名脚本を得て、ミステリー的出だしから、やがて戸籍、名前、顔といったアイデンティティに振り回される人間の弱さが浮き彫りとなる終盤まで石川演出は快調。さらには差別・偏見を生む現代社会の闇にも迫った、堂々たる風格の力作です。

10位 さがす
 片山慎三監督の長編デビュー作「岬の兄妹」にも感動しましたが、長編2作目となる本作も見事な秀作です。謎だらけの前半から、後半、時制を遡って前半で撒かれた伏線を回収して行くストーリー・テリングの見事さに唸りました。強烈、パワフルな人間ドラマに圧倒されます。これがオリジナル脚本だから凄い(小寺和久、高田亮と共作)。片山監督の今後の活躍にも目が離せません。

11位 雪道
 従軍慰安婦問題を扱った韓国製ドラマですが、決して反日的な映画ではなく、困難な状況においても決して絶望する事なく、希望を失わず強く生きて行く事の大切さを力強く訴えた人間ドラマになっているのが素晴らしい。キム・セロン、相変わらず名演です。

12位 アバター ウェイ・オブ・ウォーター (3Dで鑑賞)
 「アバター」の13年ぶりの続編。横暴な地球人対弱小民族の闘いという前作のテーマを引き継ぎつつも、今回は家族愛のドラマがメインで、終盤の怒涛のアクションに次ぐアクション演出はやはり見応えがあります。CG映像は前作にも増して素晴らしい出来で、これはやはり3D、出来ればI-MAXで観るべきですね。物語はやや引っかかる所もありますが、海中の美しい映像にはとにかく圧倒されました。

13位 ギレルモ・デル・トロのピノッキオ
 ディズニー・アニメでお馴染みのあの童話が、ギレルモ・デル・トロにかかると死の影が漂うダーク・ファンタジーっぽくなるのがさすがです。子供の命を理不尽に奪う戦争への怒りや、独裁者に対する痛烈な風刺などを盛り込み、最後は生きる事の意味、命の大切さというテーマを打ち出している点にとても感動しました。

14位 マイ・ブロークン・マリコ
 死んでしまった親友の遺骨との旅を通して、自分の生き方を見直して行く物語が、タナダユキ監督の繊細で丁寧な演出によって見事に描かれています。シイノを演じた永野芽郁がいいですね。タナダ監督のこれまでの最高作でしょう。

15位 ブルー・バイユー
 杓子定規な法律の狭間で、幸せに暮らしていた家族が引き離されるという物語を通して、移民問題、難民問題、人種差別といった現代をとりまく諸問題に鋭い批判の目を向けた、主演も兼ねたジャスティン・チョン監督の力作です。ラストの別れのシーンには泣かされました。

16位 すずめの戸締り
 前作「天気の子」がもう一つだったので心配してたのですが、これは良かったです。ふとした事から、草太という名の青年と共に日本列島を北に向かって、災厄を招く扉を閉める旅に出るという壮大なファンタジー。背景に3.11を配して、運命に立ち向かうすずめの健気な行動に涙します。ミミズと呼ばれる災厄のビジュアルも壮観。ただダイジンと呼ばれる魔力を持った猫が草太を呪いで椅子に変えてしまう所など、ダイジンの立ち位置が敵か味方かちょっと曖昧な点が引っかかって少し順位を落としました。

17位 マイスモールランド
 これも「ブルー・バイユー」同様、難民に薄情な日本の法律のせいでクルド人一家の父親が強制送還されそうになり、家族が引き裂かれるという悲劇を描いた問題作です。ただそうした社会的テーマだけに留まらず、主人公サーリャの高校生活や爽やかな恋模様も絡めた青春映画でもあり、家族愛の物語としても見ごたえある作品になっています。これが監督デビュー作となる川和田恵真監督、主演のこれもデビュー作の嵐莉菜、共に見事です。

18位 土を喰らう十二ヵ月
 水上勉のエッセイを元にした、信州の山奥での自給自足生活を通して、人の生き死に、人生観、自然に生かされている人間といったさまざまなテーマを描いた中江裕司監督の久しぶりの力作です。沢田研二が人生の年輪を感じさせる好演。松たか子、奈良岡朋子ら役者もみんないいですね。

19位 親愛なる同志たちへ
 冷戦下のソ連で30年間も隠蔽されていた市民の虐殺事件という史実をベースに、巨匠アンドレイ・コンチャロフスキーが旧ソ連の暴虐の実態を容赦なく暴いた問題作です。2年前の作品とは言え、今のロシアでよく作れたものです。モノクロで描かれる虐殺・隠蔽の描写が生々しく、今こそ観るべき秀作だと思います。

20位 PLAN75
 超高齢化社会が進んだ日本で、満75歳から生死の選択権を与えるという制度「プラン75」が実施され、希望する老人は安楽死が認められるという近未来の姿を描いた問題作です。本当に将来そんな法律が出来てもおかしくない気がするだけに、ゾッとさせられます。映画は制度を受け入れる老人側と、職務に当たる役所の職員の仕事ぶりを並行して描く事で、人間味の感じられない行政機関の怖さ、人間の尊厳とは、命の権利とはといったテーマを問いかけています。これがデビュー作となる早川千絵監督、お見事です。


…さて、以上がベスト20ですが、例によってまだまだ入れたい作品がありますので、もう10本、ベスト30まで紹介しておきます(タイトルのみ)。

21位 夜明けまでバス停で
22位 金の糸
23位 
余命10年
24位 ナイトメア・アリー
25位 冬薔薇
26位 香川1区
27位 ウエストサイド・ストーリー
28位 
ベルファスト
29位 ベイビー・ブローカー
30位 あのこと

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うーん、まだまだある。31位以下も順不同で挙げておきます。

かがみの孤城
前科者
トップガン マーヴェリック

ツユクサ
ワン・セカンド 永遠の24フレーム
川っぺりムコリッタ
愛なのに
英雄の証明
君を想い、バスに乗る
CODAコーダ あいのうた


本年度も秀作が目白押し。特に日本映画は若手、新進、中堅監督の力作が続々と登場して、例年ならベスト20に入ったかも知れないベテラン監督の秀作(高橋伴明監督「夜明けまでバス停で」、阪本順治監督「冬薔薇」、原恵一監督「かがみの孤城」等)が洩れてしまいました。新人女性監督の長編デビュー作が17位、20位と2本も入ったのも快挙です。本当に昨年の日本映画は充実しておりました。残念なのは病院に入院してたりで重要な作品を見逃している事。「夜を走る」「窓辺にて」「千夜、一夜」は観たかったのですがね。
ネット配信作品も相変わらず好調で、一部で劇場公開もされた「パワー・オブ・ザ・ドッグ」「ギレルモ・デル・トロのピノッキオ」がベスト20に入りました。配信のみで劇場未公開作も多く、中には劇場でこそ観るべきスケールの大きな作品もあったりします。そうした作品を劇場でも是非公開して欲しいと切に願いたいですが、“劇場で公開されない作品を観たいが為に加入する”ユーザーを狙っての戦略も業者側にはあるのでしょうね(私もとうとう加入してしまいました。渋々ですが)。この傾向は益々強まって行くでしょう。映画業界にとっていい事とは思えないのですが。考えて欲しいですね。

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という事で、昨年はネット配信映画もかなり観ました。中にはベストテン級の作品も多くあったので、本年から「劇場未公開配信作品ベスト3」を新設する事としました。

1位 13人の命
 タイで起きた、洪水で洞窟に閉じ込められたサッカー・チームの少年とコーチ13人の救出劇を描いた実録ドラマですが、監督ロン・ハワード、出演者がヴィゴ・モーテンセン、コリン・ファレル、ジョエル・エドガートンと豪華で、セットによる洞窟の忠実な再現、ハラハラするスリリングな展開と、劇場公開されたならベストテン候補にもなったかも知れない堂々たる秀作です。そんなわけで映画ファンでも観た方は少数じゃないかと思います。もったいない。

2位 アポロ10号1/2 宇宙時代のアドベンチャー
 なんと10歳の少年が計算違いで小さく作られた「アポロ10号」に乗って宇宙に行くという、奇想天外なお話(無論フィクション)。だからタイトルが「10号1/2」(笑)。これを「スキャナー・ダークリー」のリチャード・リンクレイター監督が、同作と同じロトスコープ方式でアニメーションとして完成させた異色作です。1960年代末期のテレビ番組や映画、音楽等、リンクレイター自身の少年時代の思い出もいっぱい詰まった、当時少年時代を過ごした映画ファンなら絶対泣ける秀作です。これも劇場公開したなら評判になったと思います。

3位 愛すべき夫妻の秘密
 こちらは1950年代にアメリカで放送された人気TVドラマ「アイ・ラブ・ルーシー」で主人公のリカード夫妻を演じた、ルシル・ボールとデジ・アーナズの知られざる秘話を、台本読みから放映までの1週間の出来事の中で描く優れた伝記ドラマです。ルシルに扮したニコール・キッドマンがそっくりの快演、デジに扮したハビエル・バルデムもいい味を出してます。

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さてお次は、恒例となった、楽しいおバカ映画を集めた、「愛すべきB級映画大賞」 。本年度も3本だけとなりました。

1位 バッドマン 史上最低のスーパーヒーロー
   おバカ道まっしぐらのフィリップ・ラショーに乾杯。
2位 ブレット・トレイン
   カネかけておバカ映画作れるアメリカがうらやましい。
3位
 ザ・ロストシティ  
   ダニエル・ラドクリフが出て来るだけでおバカ映画決定。

1位は、「ヒャッハー」シリーズや「シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション」のフィリップ・ラショー監督・主演作だけに、おバカ映画になるのは当たり前。今回はアメコミ・ヒーローをネタにして相変わらず笑わせてくれます。2位は娯楽アクション大作なのですが、さすが「デッドプール2」のデビッド・リーチ監督だけあって「キル・ビル」まがいのニッポン・ネタとか脱力ギャグも一杯詰め込まれたバカ映画になってます。3位も「ロマシング・ストーン」を思わせる冒険活劇のはずが、やはりおバカな映画に転調。チャニング・テイタムが頼りにならないという意外性に、近年のおバカ映画に欠かせないダニエル・ラドクリフも参加とくればおバカ映画確定。ケッサクなのが2位と役者バーターやってる点で、こちらにブラピがゲスト出演したお返しにサンドラ・ブロックとチャニング・テイタムが「ブレット・トレイン」にカメオ出演と、お互い楽しんでやってますね。

…それにしても、笑えるおバカB級映画、最近少なくなりましたね。3位はやや苦しい選出です。

(番外) シャーケンシュタイン
 2016年製作の旧作で、しかも劇場未公開作品なので、劇場公開作品が対象である本賞には入れられませんが、本年度一番笑ったB級(C級?)おバカ映画でしたので紹介しておきます。
とにかくバカバカしい。フランケンシュタイン(の怪物)の心臓が第二次大戦中にアメリカに運ばれ、60年経ってマッドサイエンティストが継ぎはぎした鮫にその心臓を移植するというアホ丸出しの珍品です。出だしの元ネタは明らかに本多猪四郎監督・円谷英二特撮の東宝映画「フランケンシュタイン対地底怪獣」ですね。特撮も恐ろしくチープで、ロジャー・コーマン製作の「シャークトパス」の方がまだマシです。でもB級映画ファンにはこのチープさに却って愛着が湧くのですね。仲間とツッ込みながら楽しむには最適です。

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 最後に、こちらは腹が立つ駄作群「ワーストテン」の発表です。

1位 “それ”がいる森
2位 月の満ち欠け
3位 大怪獣のあとしまつ
4位 ポプラン
5位 KKKをぶっ飛ばせ!
6位 この子は邪悪
7位 永遠の1分。
8位 
ヒットマンズ・ワイフズ・ボディガード
9位 ノイズ
10位 大河への道
次点 ムーンフォール 
(ローランド・エメリッヒ監督)(VOD)

 (寸評)
1位、ポスター、予告編、監督中田秀夫という組み合わせで、誰が考えても怪奇・ホラー映画と思うでしょうに、中身はなんと宇宙人ものとはね。でもホラーともSFともどっちつかず、全然怖くなくて最後は「宇宙戦争」パロディみたいで笑っちゃいました。あれじゃまるでコントですよ。演出もユルい。文句なしのワーストワン。前作「事故物件 怖い間取り」もワーストテン入りですし、最近の中田監督の低迷ぶりは目を覆うばかり。
2位、原作が直木賞受賞作なのに、どうすればこんな駄作になるんでしょうか。生まれ変わりが大泉洋の周りばっかりで起こり過ぎで、日本中でどれだけ生まれ変わりがいるんだとツッ込みたくなります(笑)。田中圭、歌ってる少女を何で生まれ変わりと決めつけられるの?ラストもとってつけたよう。小説なら文章だけですが、映画になると50の男と10歳の少女が抱き合うという絵柄はどう見ても異様です。廣木監督も最近多作のせいか、演出もちょっと雑ですね。
3位、三木聡監督だからトボけたコメディを期待しましたが、ちゃんとした怪獣映画にも脱力コメディにもなり切れない中途半端な出来でした。ラスト、それならもっと早く解決出来たでしょうに(笑)。やはり三木監督は低予算ミニシアター向け作品でないと本領を発揮出来ないと思います。起用したプロデューサーが悪い(笑)。
4位、チ〇コが行方不明になるという奇想天外なお話ですが、コメディとしてまったく話がはずまず、演出はテンポが悪い。もっとギャグてんこ盛りで笑わせてくださいよ。上田慎一郎監督、「カメ止め」の勢いは何だったんですか。
5位、KKKが黒人を食うという変わった設定で、後半KKKに徹底的な復讐をするという展開は悪くないし、うまく作ればB級映画大賞にノミネート出来たのですが、とにかく脚本も演出も編集も粗っぽくてヘタ。学生の自主映画かと思いましたよ。よくまあシネコンで上映したものです。
6位、前半は面白そうだったのに、後半ヘンな方向に行って、オチに唖然。催眠術で精神退行させたり人を操るまでは許せても、ウサギと魂を入れ替えるって、それは催眠術では不可能でしょう。荒唐無稽過ぎます。玉木宏は魔術師か(笑)。
7位、「カメ止め」の上田慎一郎脚本ですが、震災をコメディにするなら余程脚本を練らないと。せめてきちんとした脚本の書けるライターと組むべきです。演出も平板で気合が入っていない。
8位、こちらはキャストは豪華だし金は掛かってるのだけれど、どこかで観たようなシーンばかりで作りは雑。観終わってしばらくしたらどんな映画だったかほとんど覚えてませんでした。
9位、これも廣木監督。保護司が元受刑者の仕事を探すのに、相手先に連絡も承諾もなしに、それも家族に行き先も告げずに行くなんてあり得ない。死体を隠しての一騒動というのはブラック・コメディになりそうなのに、やたら深刻な演出で、かと思うと余貴美子扮する町長がいきなりスコップでドアをぶち壊して入って来るといった具合に、コメディかサスペンスかどっちに行きたいのかさっぱり見えません。脚本にも責任あり。
10位、これもコメディか感動の物語かどっちつかず(こればっかりだ(笑))。それと大河ドラマ実現を目指すなら何よりも先にNHKに企画持ち込まなければ。県庁に(しかも市役所職員が?)お願いに行ってもどうにもならんでしょう。製作の当てもないのに先に脚本書かせて、NHKに断られたらどうするんですか。思い切って現代編全部カットして時代劇として作れば面白くなったかも。
次点ネット配信のみなので番外にしたけど、劇場公開されてたらワースト3内に入ったのは確実。それ位酷い作品。月が地球に落ちて来るという奇想天外なアイデアはいいのですが、「アルマゲドン」の焼き直しみたいで新味に乏しい。特に、月は人工的に作られた巨大建造物だったという展開には唖然。そんな設定にする意味がまったく無く、却って安っぽくなってます。それなら、終盤月が接近して引力で海水や地球の建造物が月に吸い寄せられる描写と整合性が取れません。人口建造物にそんな引力なんてあるはずない。1億5千万ドルの製作費かけて、回収したのは5,900万ドルと大赤字だそうですがそれも当然。エメリッヒ監督も最近はダメですね。

観る本数が減って、以前のようにトホホ映画まで追いかける余裕がなく、何本かのワースト候補作品を見逃してると思うのでちょっと苦しいワーストテンになりました。ご容赦を。


という事で、今年もよろしくお願いいたします。 m(_ _)m 

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コメント

あけましておめでとうございます。

以下、私のベストテンです。毎年潔く、10作品厳選です。

投稿: タニプロ | 2023年1月 3日 (火) 09:24

Instagram及びFacebookからの転載です。後ほど、noteにも転載します。

外国映画

1.「雪道」(監督イ・ナジョン)
2.「理大囲城」(監督香港ドキュメンタリー映画工作者)
3.「アネット」(監督レオス・カラックス)
4.「エルヴィス」(監督バズ・ラーマン)
5.「ダムネーション / 天罰」(監督タル・ベーラ)
6.「ウエスト・サイド・ストーリー」(監督スティーヴン・スピルバーグ)
7.「ナイトメア・アリー」(監督ギレルモ・デル・トロ)
8.「マルケータ・ラザロヴァー」(監督フランチシェク・ブラーチル)
9.「クライ・マッチョ」(監督クリント・イーストウッド)
10.「湖のランスロ」(監督ロベール・ブレッソン)

上から三作品が偉業レベルなんじゃないかというくらい飛び抜けてます。「雪道」が監督デビュー作品とは信じられないし、「理大囲城」はまさに命がけで、「アネット」は映画の表現方法をさらに高めました。
「日本未公開だったとっくの昔の映画」が三作品入ってるのは、酷い円安で今後もこういうのが増えると予想したので堂々と入れました。
映画なんかたくさん観ようが賢くもならないし善人にもならないと思ってるので、観た本数などいちいち言いません。毎年言ってません。


投稿: タニプロ | 2023年1月 3日 (火) 09:27

日本映画です。

1.「夜を走る」(監督佐向大)
2.「ケイコ 目を澄ませて」(監督三宅唱)
3.「わが青春つきるとも 伊藤千代子の生涯」(監督桂壮三郎)
4.「THE FIRST SLAM DUNK」(監督井上雄彦)
5.「オレの記念日」(監督金聖雄)
6.「マイ・ブロークン・マリコ」(監督タナダユキ)
7.「マイスモールランド」(監督川和田恵真)
8.「LOVE LIFE」(監督深田晃司)
9.「冬薔薇」(監督阪本順治)
10.「ある職場」(監督舩橋淳)

1位の「夜を走る」は、もしかしたら予言映画になるかも。なってほしくは無いけど、なりかねない。昨年観た全ての映画の中で最も怪しい魅力を放ってました。
監督賞があるとするなら「ケイコ 目を澄ませて」。どうやら私、「障がい」が関わってくる日本映画を昨年4本くらい観てるんですが、別次元に来た感じ。とにかく全編良いところばかり。
3位の映画はキネマ旬報の読者評に載せてもらった。この映画を「日本共産党の映画」と言ってる人は色眼鏡をかけて映画を観てないかな。ほとんど日本共産党は出てこない。山田洋次監督「母べえ」を超えてる気がします。
4位の映画。どうやら世の中には大ヒット映画または大ヒットが半ば約束されてるような映画に一言言いたくなるタイプの方がいるそうだ。客が入るか否かは作った後に付いて来るものだから私にはどうでも良いです。自分が観た映画の原作を全て確認するのは不可能だから私は原作とは比較しないが、たぶんこれは原作知らなくても何ら問題ないです。「試合」に特化した優れたアクション映画。もちろん、熱い青春映画でもあります。ちなみに原作は思春期の頃に読んでます。
5位は、布川事件の桜井昌司さんのドキュメンタリー映画なんですが、いやこれが信じられないことに笑って勇気を与えられる映画だった。ちょうど観た時期に法務大臣の更迭があったので余計刺さりました。

ブログ主さんにはどうでも良い話なんですが、私は元々モノグサな性格でして、かつ凄い前時代的なアナログ人間。映画は映画館。雑誌と本は紙で読み、新聞も紙、DJはレコードのみという人間です。昨年はInstagramや noteに映画レビューを書くのが滞ってしまいました。Twitterは文字数が少ないので余程急ぎで書きたい時しか映画のことは書きません。
観てほしいのはラチがあかないから友人にLINEやメールで直接勧めました。
InstagramをFacebookに連携させてることもあり、今年は筆不精を治してnoteやInstagramを積極的に更新します。

投稿: タニプロ | 2023年1月 3日 (火) 09:40

◆タニプロさん
あけましておめでとうございます。
と言ってもそろそろ高齢者で、「門松や 冥途の旅の一里塚」て心境です(笑)。
なかなかユニークなベストテンですね。未見の作品は順次探して鑑賞しようと思ってます。

私もアナログ人間で、同じように読書も新聞も紙ですし、スマホも持ってなくてガラケー愛用です。InstagramもTwitterもLINEも使う気はありません。ブログで充分ですね。
さすがにこれだけネット配信映画が増えると、そちらで見る事も増えましたが、やはり基本は映画館鑑賞という考えは変わりません。「アバター2」観たら、劇場で(しかも3Dで)観て良かったとつくづく思います。
というわけで、本年もよろしくお願いいたします。

投稿: Kei(管理人 ) | 2023年1月 3日 (火) 10:28

個人的に未見なら見てほしいのは、「夜を走る」「オレの記念日」「LOVE LIFE」ですかね。「夜を走る」は劇場公開時より今観たほうがビックリするかもしれません。「オレの記念日」は桜井昌司さんご健在なうちに見られてほしいです。「LOVE LIFE」は「歌が題材」と聞いて嫌な予感がしたんですが、深田晃司監督にはそんなジンクスは関係ありませんでした。

なお、人に言われたんですが、配信作品「仮面ライダー BLACK SUN」とAmazon prime video「モダンラブ東京」で黒沢清監督が手がけた一編が素晴らしいそうです。アマプラは契約してないんですが、しかたなく契約しようかなと。

あと、まだ公式発表もされてないのに原作者がブログに書いちゃってるんですが、辺見庸の小説「月」を石井裕也監督が映画にするそうで、先日クランクアップしたそうです。既に文庫化されていて、解説を書いてるのが石井裕也監督です。内容が内容だけに、もしかしたら大問題作になるかもしれません。良かったら読んでみてください。

今年も宜しくお願いします。

投稿: タニプロ | 2023年1月 3日 (火) 12:17

遅ればせながら失礼します。とっくに明けてますがおめでとうございます。ご無沙汰しています。さっきRRRを見て興奮状態なのでお許しください。インド映画をIMAXで観られる日が来ようとは。昨年中に見ていれば文句なしのNo.1、いい脚本だと荒唐無稽もご都合主義も強みになるという典型ですね。日本のアクション漫画のような話を、仮に実写化した場合の最適解のような気がします。日本では何故こういうの生まれないんだろう。で、私の昨年ですが、前半はトップガン新作に、コーダあいのうた、ドライブマイカー、シンウルトラマンと、傑作、良作続きだったのに、後半は近年最悪のワーストに値するキャメラを止めるな(フランス版、如何に元が面白かったか、ということですが)を見たのが運の尽き、のん主演2本の期待外れ感もあり(彼女は実写だとみんな一本調子なんだろうか?)、シニア料金使える歳になったのに過去作のロードオブザリング3部作IMAX版リバイバルでお茶を濁し(この3本は今見ても大傑作であった)、映画うつになってたのですが(正月作品一本も未見)、今回のRRRで復活出来そうです。

投稿: オサムシ | 2023年1月15日 (日) 21:30

◆オサムシさん
今年もよろしくお願いいたします。
「RRR」I-MAXでご覧なったのですか。私は通常版で観たのですが、本当はI-MAXでも観たかったですね。
昨年後半でしたら、今も上映中の「アバター2」が絶対のお奨め。出来れば3D:I-MAXで是非。

投稿: Kei(管理人 ) | 2023年1月16日 (月) 13:59

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