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2024年8月23日 (金)

「フォールガイ」

Fallguy 2024年・アメリカ   127分
製作:87North Productions=ユニヴァーサル
配給:東宝東和
原題:The Fall Guy
監督:デヴィッド・リーチ
オリジナルTVシリーズ創造:グレン・アルバート・ラーソン
脚本:ドリュー・ピアース
撮影:ジョナサン・セラ
音楽:ドミニク・ルイス
製作:ケリー・マコーミック、デヴィッド・リーチ、ライアン・ゴズリング、ガイモン・キャサディ

危険な陰謀に巻き込まれたスタントマンの活躍を描く痛快アクション。監督は「ブレット・トレイン」のデヴィッド・リーチ。主演は「バービー」のライアン・ゴズリング。共演は「クワイエット・プレイス」シリーズのエミリー・ブラント、「ブレット・トレイン」のアーロン・テイラー=ジョンソン。

(物語)スタントマンのコルト・シーバース(ライアン・ゴズリング)は大怪我を負い一線を退いていたが、ひょんなことから撮影現場に復帰する事に。そこで、初監督を務める元恋人のジョディ・モレノ(エミリー・ブラント)と再会する。ジョディに未練のあるコルトは、彼女の気を引こうとスタントに奮闘する。そんな時、長年にわたりコルトがスタントダブルを請け負ってきた因縁の主演俳優トム・ライダー(アーロン・テイラー=ジョンソン)が突然姿を消す。これを機にジョディとの復縁とスタントマンとしてのキャリアの復活を企むコルトはトムの行方を追うことになるが、思わぬ事件に巻き込まれてしまう…。

今回はやや簡略型レビューで。

デヴィッド・リーチ監督(どうでもいいがデヴィッド・リンチ監督と紛らわしい(笑))は、「デッドプール2」「ブレット・トレイン」と、スケールの大きなアクション映画でありながら、トボけた笑えるシーンが満載で、どこかおバカ映画的な臭いがある変わった作品を連打して来た、私のお気に入り監督である。ちなみにこの2本、どちらも私の個人的ベストテンで、B級映画大賞(別名おバカ映画賞)に選んだ作品である。

本作にもそんな要素を期待したのだが、それはやや抑え目、元はスタントマンだったというリーチ監督の、スタント愛に溢れた楽しい映画になっていた。

(以下ネタバレあり)

スタントで大怪我をして、一時引退していたコルトが、元カノのジョディが初監督するSFアクション映画で復帰するが、コルトがスタントダブルを担当していた人気俳優トムが行方不明となり、プロデューサーからトムを探して欲しいとの依頼を受け、調査を開始すると、罠に嵌まって殺人犯人と疑われ、逃亡しながら事件の謎を追って行く…

と一応のストーリーはあるものの、映画のキモは全編にわたって登場するスタント・シーンで、さすがスタントマン出身のリーチ監督、、あらゆるスタント・ネタをこれでもかと出してくる。

Fallguy2

冒頭の危険な落下シーンに始まり(フォールガイとは落下する男という意味もある)、全身炎に包まれたり、カースタントでは車の回転、いわゆる“キャノンロール”でギネス記録を更新する8回転半をやってのけたり、コルトが敵を追いかけ、ごみ収集車に引きずられながら決死の追跡をするシーン(ここはゴズリング本人がスタントやってるそうだ)、海ではコルトの操縦するボートが空中ジャンプし、大爆発したり、最後の映画撮影シーンでは車が空中大ジャンプ、極めつけはヘリコプターからの落下、エアーマット着地も敢行する。

落下に始まり、落下で締めるという、題名にちなんだオチも洒落ている。

死体を見つけ、濡れ衣を着せられ、逃げながら犯人捜しを行うという展開はヒッチコック作品でお馴染みだが、大した要素ではなく犯人は途中から想像が付く。

そして楽しいのが、随所に仕込まれた映画パロディで、トムが記憶力が弱いので、部屋の至る所に付箋が貼られ、「メメント並み」というセリフも出て来るのには大笑い。コルトがドラッグを飲まされると妄想の中に「ブレードランナー」のユニコーンが出て来たり、その他にも、有名映画のセリフ、シーンのパロディが満載、ジョディがコルトに分割画面撮影の相談をすると、画面も2分割になるというお遊びもある。リーチ監督、いろいろ遊びながら楽しそうに演出しているのがこちらにも伝わって、最後まで楽しめた。

エンドロールでは、スタント・シーンのメイキング(NG?)集まであって、これまたジャッキー・チェン映画へのオマージュだろう。同時に、スタントという縁の下の力持ちの人たちに対するリスペクト愛も込められている。これにもジンと来た。

スタント・シーンでハラハラしたり爽快な気分になったり、あるいは小ネタを見つけるというお楽しみもあり、頭をカラッポにして楽しめる、この夏一番のエンタメ大作である。  (採点=★★★★☆

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コメント

 結構ゆるい話ですが、とにかく見ていて楽しい。キツいイメージのあるエミリー・ブラントが、可愛らしいのも好印象でした。

投稿: 自称歴史家 | 2024年8月23日 (金) 18:25

私も見ました。
お話はかなりアバウト。主人公が巻き込まれた事件の犯人はすぐわかるし。
でもラブコメなんでそれはまあいいでしょう。
ライアン・ゴズリング、エミリー・ブラントはじめ俳優陣はは好演しています。
スタントマン出身のデビッド・リーチ監督らしく、スタントはいいですね。
暑い夏にこういう気楽な映画もいいですね。

投稿: きさ | 2024年8月23日 (金) 22:34

◆自称歴史家さん
お話どうこうより、数多くのスタント・シーンをどこに嵌め込むか、どう楽しく見せるかを重点に置いて作ったと言うべきでしょうか。
エミリー・ブラントは「メリー・ポピンズ リターンズ」でメリーを演じ好演していたので注目していました。今年は「オッペンハイマー」の妻キティ役もあったし、大活躍の年でしたね。


◆きささん
夏の暑気払いには持って来いの快作でしたね。
ただ興行的には苦戦しているようです。映画ファンなら大喜び出来る作品なので、多くの人に見て欲しいですね。

投稿: Kei(管理人 ) | 2024年8月26日 (月) 13:53

同監督前作「ブレット・トレイン」は
妻推しの真田広之も出演で楽しく夫婦鑑賞。
本作では妻は写真ですが並んで鑑賞です。
映画愛触れる小ネタやアクション等
見所多数ですが個人的に響いたのは
エンドロールのメイキングかも。
今後も妻写真と劇場鑑賞観賞出掛けます。

投稿: ぱたた | 2024年8月30日 (金) 09:00

◆ぱたたさん
お亡くなりになられた奥様の写真とご一緒に鑑賞ですか。素敵な事ですね。私も将来、出来たら真似したいですね。でも私と映画の好みが合わないので無理かな(笑)。

投稿: Kei(管理人 ) | 2024年8月30日 (金) 11:11

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