「JUNK WORLD」 (VOD)
(物語)遥か昔、人類は地上の生息域減少により地下開発を進めた。その労働力として人間に似せた人工生命体のマリガンを創造。しかしマリガンは自らのクローンを増やして人類に反乱を起こした。その第3次停戦協定から230年後、人類は地上に留まり、マリガンは地球規模に広がった地下世界を支配していた。だがある日、地下世界に異変が起き、人間とマリガンによる調査チームが派遣される。女性隊長トリス率いる人間チームとクローンのオリジナルであるダンテ率いるマリガンチームは、地下都市カープバールを目指すが、その途中で調査チームがマリガンのカルト教団「ギュラ教」に襲撃されてしまう。彼らの標的は希少種とされる人間の女性=トリスだった。調査チームは激しい攻防のなかで次元の歪みを発見し、トリスの護衛を務めるロボットのロビンは彼女を守るため、次元を超えた作戦を計画するが…。
堀監督の前作「JUNK HEAD」がとても面白かったので、この新作を観ようと思っていたが、上映館が少なく、とうとう見逃してしまった。そしてこの正月にアマプラで配信されていたので観る事にした。
やっぱり凄い。製作費も増え、スタッフも6人に増えた事もあって、ストップモーション・アニメの動きも滑らかになって観やすい。前作が完成までに7年を要したのに対し、本作の製作期間は3年と短縮され、かつ世界観のスケールも前作を凌ぐ壮大なものとなっている。
(以下ネタバレあり)
本作の舞台は、前作より1,042年前。つまり前日譚である。前作では人口生命体マリガンが反乱を起こし、地下世界を乗っ取ってから1,600年が経っているという設定だったので、マリガンの最初の反乱からも500年以上が経過している事になる。その間三度の大戦争の結果停戦協定が結ばれ、地上の人類と地下世界のマリガンという住み分けが始まってから230年後が本作の舞台である。
前作では、人類は遺伝子操作により永遠と言える命を得たが、その代償として生殖能力を失ってしまったという事だったが、この世界では、人類はまだ肉体を保っている。
ある時、放棄された地下都市で異変が起こり、人類とマリガンが共同で調査チームを派遣する事となる。物語はそこから始まる。
主人公となるのは、人間の女性隊長トリス。彼女が率いる人間チームと、クローンのオリジナルであるダンテ率いるマリガンチーム、それにトリスの護衛を務めるロボットのロビンという一行は、共に地下都市カープバールを目指すが、その途中で、マリガンのカルト教団「ギュラ教」に襲撃される。彼らの標的は、希少種とされる人間の女性トリスだった。ギュラ教は、人間の女を食うと奇跡が起きると信じているらしい。
調査チームはギュラ教の武装部隊に襲撃され、多くの隊員を失い、残ったのはトリス、ロビン、ダンテと彼の部下、人間のモース大使と部下のテリアの6人だけだった。一行は徒歩でカープバールに向かう。
映像は前作に比べてより緻密になり、動きも滑らかで、特にトリスたち人間の動きは実写と見紛うくらいだ。
高い崖の上から追手がトリスたちを見下ろすというシーンが何度か登場する。その豆粒のような一行がちゃんと動いているのだから、凄く手間がかかっている。
ロビンはどうやら前作の主人公バートンのようだ。装備を脱いだ姿がバートンと同じである。物語が進むにつれて、ロビンが大活躍し、この世界を動かす存在となって行く。

全体が4幕構成になっていて、1幕ごとにいくつもの謎が提示され、それが伏線となって、幕が進むごとに謎が解明されるという仕掛けである。よくまあこんな複雑な物語を考えたものだ。
1幕の終わりで、ロビンは半円形の巨大なドームに吸い込まれるが、しばらくすると異様な甲冑を着たロビンがトリスたちを助けに現れる。実はその間、ロビンは数千年前の過去にワープし、その世界で朽ち果てかけるが、やがてその世界の未開種族、リビーア族の“神”となって君臨し、文明をもたらし、長い時間をかけて今の世界に戻って来たという訳である。しかしそれによって時空がゆがみ…と物語はどんどん複雑になって行く。頭をスッキリさせて鑑賞しないと置いて行かれてしまうだろう。
怪獣とのバトルもあり、派手な爆発シーンもあったりと、アクション・エンタティンメントとしても楽しめる。
後半はリビーア族の姫、バステトという可愛らしいキャラが登場する(右)。神であるロビンを敬愛するだけでなく、ロビンにほのかな愛情を抱いており、最後はロビンを守る為に我が身を犠牲にし、壮絶な最期を遂げる。ここは泣ける。
こうして、二人だけになったトリスとロビンが旅を続ける所でエンドロールとなるが、実はエンドロール終了後にも重大なエピソードがある。なのでエンドロールが始まっても席を立たないように。
(以下重要ネタバレに付き注意)
エンドロールの後に、それから1042年後の世界で、生命維持装置に入ったトリスを守り続けるロビンの姿がある。そして最後、朽ち果てたロビンの前に一瞬現れる3人組は、多分前作のあの3人でしょうね(笑)。
いやー凄い!まったく壮大な世界観と物語に圧倒される。
ロビンはどうやら不死の体を持っているようで、何千年朽ち果てても甦って再生する。多分最終作となる次作「JUNK END」でも活躍するだろうな。
エンドロールでは全作同様、早送りのメイキング・シーンがある。これも楽しい。新たに参加したスタッフとのやり取りもある。
あと楽しいのが、「ゴニョゴニョ語」のセリフ。よく聞いていると時々日本語が混じってるので笑える。日本語吹替版もあるが、是非ゴニョゴニョ語版で観る事をお勧めする。
いやーこれは劇場で観たかった。観ていればベスト10内には間違いなく入っていただろう。ただ配信は何度も観直せるので便利だ。多分観る毎に新しい発見があるかも知れない。次回作も待ち遠しい。
(採点=★★★★☆)
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